「親孝行のつもりだったのに」…独居暮らしの82歳母を山間の小さな村から東京へ。3ヵ月後、56歳息子「実家を売らなきゃよかった」後悔したワケ

「親孝行のつもりだったのに」…独居暮らしの82歳母を山間の小さな村から東京へ。3ヵ月後、56歳息子「実家を売らなきゃよかった」後悔したワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親が一人で暮らしていると、「もし倒れたら」「具合が悪くなったら」と心配になるものです。実際、離れて暮らす親を自宅近くへ呼び寄せたり、同居を選択したりする家族は少なくありません。しかし、家族にとっての安心が、本人にとっての幸せとは限らないこともあります。見ていきましょう。

母のために準備した新生活だったが…

洋輔さんは、母のために自宅を改修しました。手すりを設置し、段差を減らし、寝室も母が使いやすいよう整え、準備万端。妻も「お義母さんが好きな食事を用意する」と協力的でした。

 

早紀さん自身も、当初は新しい生活を受け入れているように見えました。しかし、早紀さんの元気は、徐々になくなっていきました。

 

会話が続かず、テレビをぼんやり眺める時間が増えました。散歩もせず部屋に閉じこもり気味に。地域の高齢者サロンやデイサービスも勧めましたが、「知らない人ばかりだから。それに、私は訛りがあるでしょう」 と気が進まない様子です。

 

ある日の夕食後、早紀さんがぽつりと言いました。

 

「一人でも、あの家で暮らしていたかった。それが一番よかった。ここには、お父さんと暮らした思い出がない。ご先祖様がいるお墓も遠い。戻りたい……」

 

洋輔さんは言葉を失いました。母を危険から守るために呼び寄せた。それは、親孝行のつもりでした。家を改修し、妻にも負担をかけている。それでも母は幸せではないと言います。そして、実家は売却し、戻してあげたくても、その場所はもうないのです。

 

「しばらく実家を残しておくんだった。実際戻るかどうかは別にして、選択肢もない状況は、母がかわいそうで。すぐに売ってしまったことを、本当に後悔しました」

 

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