全国でわずか5%…自主管理マンションの“闇”は深い
管理会社に委託せず、理事会だけで運営する「自主管理マンション」は全国でわずか5%とされています。しかし、この類のトラブルはあとを絶ちません。
プロの管理会社が間に入らないため、「理事長がルールブックになる」「会計がブラックボックス化する」「理事長とその取り巻きだけが得をする構造が生まれる」といった事態に陥りやすいのです。特に50戸以下の小規模マンションでは、この傾向が顕著です。
さらに、売買時に仲介業者が必要とする重要事項(管理規約、長期修繕計画、ペット飼育の可否、駐車場の空き状況など)の調査依頼に対し、理事長が一切回答しないケースも多く、取引に支障が出てしまうことも珍しくありません。
マンション管理は「建物の老朽化」よりも、「人間関係の老朽化」が問題を深刻化させます。透明性のない自主管理は、住民の財産価値を大きく損なうリスクを抱えています。Aさんのような被害を生まないためにも、管理組合のガバナンス強化と、外部専門家の関与がこれからのマンション管理には欠かせません。
自主管理マンションの問題は、「誰も口にしない」ことで長年にわたって深刻化する傾向があります。相続などをきっかけに突然当事者となった場合でも、区分所有法に定められた権利を正しく行使することで、解決への道は必ず開けます。
「泣き寝入りするしかない」と思い込む前に、ぜひマンション管理士や弁護士へご相談ください。
松本 洋
松本マンション管理士事務所代表
