「毎月200万円」の負担も…地政学リスクで「マンション大規模修繕」がストップ。管理組合を追い詰める「不可抗力」という約款の壁【マンション管理士が解説】

「毎月200万円」の負担も…地政学リスクで「マンション大規模修繕」がストップ。管理組合を追い詰める「不可抗力」という約款の壁【マンション管理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

中東情勢の悪化をはじめとする「地政学リスク」は、もはや対岸の火事ではありません。日本のマンション管理、とくに「大規模修繕工事」において、資材供給の停止による工事中断という思わぬ形で深刻な影響を及ぼし始めています。本記事では、実際に工事中断のトラブルに直面したマンションの事例を交え、浮き彫りになった“制度の空白”と管理組合が取るべき自衛策について、マンション管理士の松本洋氏が解説します。

中東の情勢悪化が「マンション大規模修繕」を直撃する時代に

日本は原油の9割以上を中東に依存しており、ホルムズ海峡の封鎖はエネルギー価格だけでなく、生活インフラ全体に影響を及ぼしています。マンション管理運営も例外ではありません。

 

都内のマンションで管理組合の理事を務めるAさんが直面したトラブルは、まさにその象徴的な事例といえるでしょう。

 

Aさんのマンションでは、管理会社が元請けとなり、そのグループ会社が大規模修繕工事を施工していました。現場事務所の設置と一部資材の搬入までは完了し、これから本格的な工事が始まる矢先のことです。

 

中東情勢の悪化により資材供給がストップし、「工事を一時中断する」との連絡が管理組合に突然入ったのです。

突然の工事中断…管理組合に提示された「3つの選択肢」

緊急理事会を開き、施工会社や管理会社に説明を求めました。そこで提示されたのは、「三つの選択肢」でした。

 

1つ目は、工事を中止し、現場事務所を撤去して資材を片づけて引き上げる案。費用は150万円。

2つ目は、現場事務所と搬入済み資材をそのまま保管し、状況を見守る案。毎月200万円のリース費用が発生。

3つ目は、現在ある資材で可能な範囲の工事を行い、いったん撤収して資材調達の目途が立った段階で再開する案。初期費用500万円に加え、毎月200万円が必要。

 

いずれの選択肢を選んでも、管理組合が数百万円規模の出費を負担することになります。Aさんを含め、理事会メンバーは即決できるはずもなく、まずは説明会で組合員(住民)の意向を確認し、多数意見を総会に上程する方針となりました。

次ページ管理組合の前に立ちはだかる「約款の壁」
不動産を受け継いだら「相続登記」を急ぎなさい

不動産を受け継いだら「相続登記」を急ぎなさい

佐伯 知哉

幻冬舎ゴールドオンライン

親名義の不動産を相続したら、必ず3年以内に「所有者名義の変更」を! 2024年4月より義務化された「相続登記」。正当な理由なく放置した場合、10万円以下の過料(行政罰の一種)の適用対象になる。 「3年以内なら余裕で…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧