中東の情勢悪化が「マンション大規模修繕」を直撃する時代に
日本は原油の9割以上を中東に依存しており、ホルムズ海峡の封鎖はエネルギー価格だけでなく、生活インフラ全体に影響を及ぼしています。マンション管理運営も例外ではありません。
都内のマンションで管理組合の理事を務めるAさんが直面したトラブルは、まさにその象徴的な事例といえるでしょう。
Aさんのマンションでは、管理会社が元請けとなり、そのグループ会社が大規模修繕工事を施工していました。現場事務所の設置と一部資材の搬入までは完了し、これから本格的な工事が始まる矢先のことです。
中東情勢の悪化により資材供給がストップし、「工事を一時中断する」との連絡が管理組合に突然入ったのです。
突然の工事中断…管理組合に提示された「3つの選択肢」
緊急理事会を開き、施工会社や管理会社に説明を求めました。そこで提示されたのは、「三つの選択肢」でした。
1つ目は、工事を中止し、現場事務所を撤去して資材を片づけて引き上げる案。費用は150万円。
2つ目は、現場事務所と搬入済み資材をそのまま保管し、状況を見守る案。毎月200万円のリース費用が発生。
3つ目は、現在ある資材で可能な範囲の工事を行い、いったん撤収して資材調達の目途が立った段階で再開する案。初期費用500万円に加え、毎月200万円が必要。
いずれの選択肢を選んでも、管理組合が数百万円規模の出費を負担することになります。Aさんを含め、理事会メンバーは即決できるはずもなく、まずは説明会で組合員(住民)の意向を確認し、多数意見を総会に上程する方針となりました。
