6割のマンションで「修繕積立金」が不足…なりふり構わぬ節約も限界に
国土交通省のマンション総合調査によると、修繕積立金が不足しているマンションは全体の約6割にのぼります。とくに築40年を超える高経年マンションでは、外壁の剥落や鉄筋の露出、給排水管の老朽化など、住民の生命や身体、財産に影響を及ぼす深刻な劣化が増加しています。
大規模修繕工事の周期を12年程度とした場合、築40年のマンションの約4割、築30年以上のマンションの約2割が、適切な時期に大規模修繕を実施できていない可能性が指摘されているのです。
不足する修繕積立金を補うため、借り入れだけはどうしても避けたいと考える管理組合は少なくありません。その結果、住民による“なりふり構わぬ”節約策が講じられています。
たとえば、組合員が日常清掃の一部を担当したり、植栽の剪定や除草を住民で分担したりするケースです。また、規約を改正して管理費会計の節約分を修繕積立金に繰り入れるといった工夫も行われています。
しかし、人件費や物価の高騰により、こうした努力だけでは追いつかない状況が続いています。
数十億円を抱えるタワマンも…修繕積立金の「運用」という新たな潮流
そうしたなか、修繕積立金を単に貯めるだけでなく、運用して資産を増やす取り組みが注目を集めています。
令和5年度調査における運用先の割合は次のとおりです。
マンション全体
普通預金:76.8%
定期預金:35.1%
決済性預金:25.6%
マンションすまい・る債:19.1%
国債、公社債、投資ファンド:各0.1%
500戸以上の大型マンション
普通預金:67.6%
定期預金:23.5%
マンションすまい・る債:8.8%
国債、公社債:各2.9%
タワーマンションの場合、修繕積立金が20〜30億円規模となることも多く、地方債や国債、高速道路債、財投債、政保債などの公共債を活用した運用案が増えています。
