竣工3年で管理会社を“格安”に変更した「超高級マンション」
大手デベロッパーが展開するフラッグシップブランドのマンションは、都心の一等地に建設される最高峰のレジデンスです。ブランド名そのものが資産価値であり、居住者にとっては誇りでありステータスでもあります。
しかし、こうした超高級マンションであっても、管理組合の運営を巡る対立は避けられないようで……。
理事長を務めるAさん(50代)が住むマンションも、例外ではありませんでした。竣工からわずか3年足らずで、管理委託費の削減を目的に、声の大きな一部の組合員が主導して管理会社の変更が決まったのです。
「超高級マンションなのに、管理は安さ優先なのか」「アルマーニのスーツに100円ショップのネクタイを合わせるようなものだ」と反発する住民もいました。
一方で「管理はサービスの対価であり、ブランド料を払う必要はない」と考える節約派もおり、ブランド価値を重視するステータス派と、合理的なコスト削減を求める節約派のあいだで、激しい論争が起きた末の決定でした。
管理委託費は下がったのに、工事費は上がる矛盾
管理会社の変更後、管理委託費はたしかに下がりました。しかし、通常であれば工事業者名で発行されるはずの工事代金や備品購入の見積書が、管理会社名で出されるようになりました。
いわゆる「元請け見積書」ばかりになってしまったのです。そしてその見積書には、いずれもこれまでより割高な工事費が記載されていました。
これに困ったAさん率いる理事会や修繕委員会は、独自にネットで安価な業者を探し、見積書を提示しましたが、新しい管理会社はこう牽制してきました。
「そちらで選んだ業者で工事を行う場合、工事にはいっさい関わりません。なにかあっても理事会で責任を取っていただきます。念のため、こちらの手順で進めていただけますか」
その言葉に理事会はひるんでしまい、結果として管理会社の提示する高額な工事代金で発注せざるを得ない状況に陥りました。

