未婚化と“実家暮らしを続ける子ども”の増加
国立社会保障・人口問題研究所『人口統計資料集(2023年改訂版)』によると、日本人の生涯未婚率は2020年時点で男性は28.25%、女性は17.81%に達しています。1970年と比べると、男性は26.55ポイント、女性は14.48ポイント上昇し、年々増加傾向にあります。
未婚化が進むなか、親と同居を続ける中高年層は珍しくなくなりました。背景には、長引く賃金低迷や非正規雇用の増加、物価高騰などがあります。特に今の40代後半~50代前半の就職氷河期世代は、安定した職に就けないまま中年期を迎えたケースも少なくありません。
一時期は「パラサイトシングル」など、実家暮らしを揶揄する言葉も広まりました。しかし現在では、「家賃を払うより合理的」「親も安心できる」など、親子双方にメリットがあるという考えが、むしろ一般化しています。また様々な事情を抱え、実家暮らしを選択せざるを得ない人もいるでしょう。
ただし、それは親子双方が納得しているという大前提が必要です。久美子さんのように、「自立してほしい、でも、もう今さら変えられない」という場合は、話が変わってきます。
「もう遅い」ではなく、「今からでもできること」を探す
とはいえ、長年続いた親子関係を急に変えることは簡単ではありません。しかし、できる対策がまったくないわけでもありません。
例えば、親自身が「世話を焼きすぎていないか」を見直すこと。長年の暮らしのなかで、親子が「共依存」の状態になっているケースも少なくありません。
また、親の経済状況を子どもにきちんと伝えることも一案です。年金収入や貯金額、そして「自分たちがいなくなった後、どう生活していくのか」という現実を共有することで、子どもの意識が変わる可能性もあります。
同居そのものが悪いわけではありません。生活費の負担や家事分担を明確にし、お互いが支え合える関係を築くことができれば、同居は老後の安心にもつながります。必要に応じて、少しずつ自立を促していくことも必要でしょう。
そして何より、「親亡き後」の生活について、現実的な話し合いを避けないことです。
「そのうち、きっと状況が変わるはず」
そう考えて問題を先送りしても、自然と解決できる可能性は高くありません。親子だけで抱え込まず、地域包括支援センターや福祉機関など、第三者に相談することも一つの方法です。
【参考】国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2023年改訂版)」
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