「お金のことは俺にまかせろ」頼れる夫の突然の悲劇
「お金の管理は全部俺がやってるんだから、お前は余計な心配をしなくていい」
生前、夫はよくそう言って笑っていました。 明子さん(仮名・69歳)は短大を卒業後、地元企業の一般事務として勤務していましたが、24歳で結婚して退職。以来40年以上にわたり、専業主婦として家事や育児に専念してきました。
5歳年上の夫は根っからの働き者で、世帯の財布はすべて夫が一手に握っていました。明子さんに渡されるのは毎月決まった生活費のみ。日々の食費や日用品をやりくりするだけで精一杯で、夫の本当の収入や貯蓄額について詳しく尋ねる機会はありませんでした。
「『男が家計を引っ張るものだ』という考えの強い人でしたし、几帳面な性格だったので、すべてうまくやってくれていると疑いもしませんでした」
定年退職後も、夫は「まだ働けるし、家にいても退屈だ」と言い、警備会社のアルバイトへ週に3~4日通っていました。
そんな穏やかな日常が打ち切られたのは、ある冬の日のことです。 「夕方には帰るよ」と言って出かけたものの、出先で心筋梗塞を起こして急倒。病院へ搬送されたものの、そのまま帰らぬ人となってしまったのです。享年74歳でした。
あまりにも突然の別れに呆然とする明子さん。親族を中心とした葬儀を執り行いましたが、それでも費用は100万円近くかかりました。その支払いを前にして、明子さんは恐ろしい現実に直面することになります。
