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周辺三県が国に申し入れ…都への税収集中が生む「多摩川格差」
最近、テレビのニュースなどで「多摩川格差」という言葉をよく目にします。これは、多摩川をはさむ東京都と神奈川県川崎市の間で、子育て支援や教育支援などの施策に格差があり、川崎市民のなかには東京都の政策を羨む声がある、という状況を指す言葉です。
同様のケースは練馬区と隣接する埼玉県新座市でも起こっており、埼玉県側から東京都へ引っ越す家族もいるとされています。
このような事態を解消すべく、2025年8月、東京都に隣接する埼玉県・神奈川県・千葉県の知事は、財務省と総務省に申し入れを行っています。
この申し入れでは、東京都と周辺自治体が打ち出す施策に地域間格差が生じていることや、大企業が東京都に本店や事業所を設けるために東京都への税収集中が進んでいることなどを指摘し、地方一般財源の総額の確保・充実を求めました。
税収偏在是正へ、国が制度見直し
この点について総務省は以前から地方税制全体の見直しを進めており、2025年2月には「地方税制のあり方に関する検討会」を立ち上げ、利子割問題を含む地方税制の課題について議論を進め、2025年7月に中間報告書を公表しました。
報告書では、利子割納税について、これまでの金融機関等の所在地に基づく仕組みに代えて、利子と相関性が高い所得に関する課税データに基づき、都道府県間で税収を調整する「清算制度」を設ける案が示されています。
利子所得は、原則として利子所得の金額に一律15.315%(他に地方税5%)の税率を乗じて算出した所得税および復興特別所得税が源泉徴収され、これにより納税が完結する「源泉分離課税」とされています。
こうした動きを受け、令和8(2026)年度税制改正大綱では、利子割問題に加えて、法人2税(法人住民税・法人事業税)と固定資産税についても必要な措置を検討することが明記されました。法人2税については令和9(2027)年度に、固定資産税については令和9年度以降に結論を出すとされています。
これに対し、東京都の小池百合子知事は「また東京を狙い撃ち」と強く反発しています。

