(※写真はイメージです/PIXTA)

税制改正の議論は、一見すると専門的で安定した世界のように見えます。しかし実際には、政治や経済といった社会情勢の変化に大きく影響され、特定の制度や概念が注目を集めては下火になるという循環を繰り返してきました。近年再び脚光を浴びている「給付付き税額控除」も、その一例といえます。本稿では、こうした「税制ブーム」の歴史的経緯と課題を整理したうえで、今後の展望を考察します。

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制度設計をめぐる歴史的経緯

1.第1次ブーム(2007~2012年)

「給付付き税額控除」が政治の場ではじめて明確に取り上げられたのは、2007年の福田康夫内閣の頃に遡ります。

 

税制調査会答申「抜本的な税制改革に向けた基本的考え方」において「いわゆる『給付つき税額控除』(税制を活用した給付措置)の議論」という項目が設けられたのがはじまりでした。

 

続く2008年、麻生内閣の下で策定された「2009年度自民党税制改正大綱」では下記のように明記され、制度導入に向けた検討が本格化しました。

 

「個人所得課税については、格差の是正や所得再分配機能の回復の観点から、各種控除や税率構造を見直す。(中略)給付付き税額控除の検討を含む歳出面もあわせた総合的取組みのなかで、子育て等に配慮して中低所得者世帯の負担の軽減を検討する」

 

その後、政権は民主党へと移り、2010年の菅内閣では、首相を本部長とする「政府・与党社会保障改革検討本部」が設置され、社会保障と税の一体改革の検討がスタート。

 

続く野田内閣では、2012年に社会保障・税一体改革関連8法案が成立し、この時期が「給付付き税額控除」論議の最初のピークとなりました。諸外国制度の紹介や比較研究も、この頃に数多く行われています。

 

2.沈静化の時代…消費税率引上げと制度改正

しかし、この“流行”は長続きしませんでした。2012年~2020年の第2次安倍内閣では、消費税率の引き上げや軽減税率の導入、インボイス制度の導入などが主要課題となり、「給付付き税額控除」の議論はしだいに影を潜めたのです。

 

税制改革の焦点が消費税の税率や徴収方式に移るなかで、再分配機能を強化する給付付き税額控除は、一時的に表舞台から姿を消しました。

 

3.議論再浮上、第2次ブーム(2025年~)

再び動きがあったのは、2025年9月、自民党(石破内閣)・公明党・立憲民主党の3党による党首会談です。この党首会談では、「給付付き税額控除」の制度設計に関する協議枠組みを設けることで3党が合意。

 

さらに、同年10月の自民党総裁選では、高市早苗氏が就任会見で給付付き税額控除に言及し、林芳正氏は「日本版ユニバーサルクレジット」を提唱しました。

 

そして、高市総理が導入を明言したことで、「給付付き税額控除」の議論は2度目のピークを迎えつつあります。すでに、日本で導入する場合の問題点を指摘する論稿も増え始めています。

 

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