ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
データで読み解く「日本経済」のリアル【エンタメ・スポーツ・事件編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)
データで読み解く「日本経済」のリアル【季節&気象・マインド・おもしろジンクス編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)
富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
八ツ尾順一(著)+ゴールドオンライン(編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
税制の世界にも存在する「流行り廃り」
「流行り廃り」という言葉があります。ファッションの世界などでよく使われる表現ですが、一見すると無縁に思える「税制」の分野にも、実は同じような現象が見られます。
過去を振り返れば、「消費税」導入時に関連書籍が飛ぶように売れ、一種のブームとなったことを記憶している方も多いのではないでしょうか。制度改正の節目ごとに特定のテーマが一斉に注目を集め、研究や実務の焦点となる光景は、税制の世界でも決して珍しいものではありません。
「給付付き税額控除」は新たな税制の“流行”となるのか
2026年2月、総選挙後に高市総理が「食料品の消費税を2年間ゼロとし、その後に『給付付き税額控除』を導入する」方針を明言しました。今後設置される国民会議での議論しだいでは、「給付付き税額控除」が新たな“流行”となる可能性があります。
もっとも、現状「給付付き税額控除」をめぐる論考は再分配機能の強化や所得格差の是正といった観点から論じられることが多く、税法理論そのものよりも、経済学・財政学・社会福祉といった周辺領域に属するものが多いです。
言い換えれば、この制度は税法学の枠内にとどまらず、他分野の知見を踏まえて検討する必要がある点に特色がみられます。
社会福祉の観点では、国と地方の役割分担の整理や、国税資料では把握しにくい低所得層への対応など、いくつかの課題が指摘されています。特に、課税最低限以下の層に対する給付をどのように設計するかは、実務上の大きな論点となります。
また、税法固有の論点としては、所得控除と税額控除の再整備や、源泉分離課税が適用される資産所得の把握方法などが、今後の焦点となる見込みです。
給付付き税額控除を導入する場合には、既存の控除体系との整合性をどのように図るかが重要なポイントとなるでしょう。
