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所得控除から税額控除への移行
平成22(2010)年の税制改正では、「所得控除から手当へ」という観点から、子ども手当の創設により、年少扶養親族(~15歳)に対する扶養控除(38万円)が廃止されました。さらに、高校の実質無償化に伴い、16~18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分(25万円)も廃止されています。
給付付き税額控除の導入では、「所得控除から税額控除へ」という整備が行われると予想されます。所得控除の増額は高所得者に有利となるため、低所得者向けに所得控除のうちの人的控除が削減され、税額控除に変更されるものと思われます。
現行制度では、確定申告期に人的控除が錯綜しており、理解が難しい状況です。過去に税制調査会が人的控除の整理を勧告しましたが、十分に反映された形跡はありません。新たな税額控除導入時には、これまでパッチワーク的に拡大してきた人的控除を整理・統合することが望ましいと考えられます。
給付対象者の単位と資産合算の問題
給付および税額控除対象者の単位を、個人とするのか、生計を一にする家族に拡大するのかは重要な課題です。昭和63(1988)年に廃止された「資産合算制度」は、資産所得を家族に分散して租税回避を図ることを防止するための規定でした。
給付対象者の判定に資産所得を含める場合、源泉分離課税分の合算や、家族に分散している所得の取扱いが焦点となります。なお、第二次世界大戦後に一度だけ実施された「財産税」においても、財産の分散を防止するために財産の合算規定が設けられていました。この制度では、不正に給付を受けることを防止する規定や罰則規定が設けられると考えられますが、対象の単位をどのように定めるかが注目点です。
国と地方の役割分担
給付手続きを国が担当するのか、地方が担当するのかも重要な課題です。スウェーデンのように、地方税分の給付も国が担当する例もあります。一方、日本では定額減税のように、地方が手続きを担い、国が財政上の措置を講じる場合も考えられます。
確定申告不要の低所得者については、地方が必要な資料を保有しています。しかし、所得がなくても申告を義務付けると、給付が届かない者が出る可能性があります。そのため、制度設計上、どのように対応するかが課題となります。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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