(※写真はイメージです/PIXTA)

2026年1月末、東京・御徒町で発生した4億2,000万円強奪事件は、羽田空港、そして香港へと舞台を移しながら、裏社会の資金移動の実態が浮かび上がりました。その背景にあるのは、日本の消費税10%と、税のない地域との制度差が生む「金取引」の巨大な利ざやです。金価格の高騰と訪日客の増加が続くなか、地下経済はどのような構図で動いているのでしょうか。

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CRSと続く“いたちごっこ”

2014年にできた国際的な租税情報交換制度であるCRS(共通報告基準)はOECDが主導しており、これができたことで各国の税務当局は海外口座情報を把握できるようになりました。

 

ただし、CRSは原則として「非居住者」の口座情報を報告対象としています。したがって、仮に香港居住者名義を利用した場合、日本の税務当局に情報が届かない可能性もあります。もちろん違法行為であり重大なリスクを伴いますが、資産隠匿の手法は年々巧妙化しているのが現状です。

 

国と国との「制度差」が地下マネーの温床に

日本の10%という消費税率は、国境をまたぐ裁定取引を生み出し、その一部が地下経済と結びついています。御徒町から香港へと連なる今回の事件は、その構図を象徴する出来事といえるでしょう。

 

金価格の高止まりと制度差が続く限り、税務当局とのいたちごっこは続きます。今回の事件は、単なる強盗事件にとどまらず、税制と国境をめぐる現代的な課題を浮き彫りにした事案といえるのではないでしょうか。

 

 

奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表

 

 

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