生前に父が「500万円のお墓」を契約も、“代金未払い”のまま逝去――「借金はすべて控除できる」は大間違い…債務控除の対象になるもの・ならないものの“線引き”【税理士が解説】

生前に父が「500万円のお墓」を契約も、“代金未払い”のまま逝去――「借金はすべて控除できる」は大間違い…債務控除の対象になるもの・ならないものの“線引き”【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

相続が発生すると、故人の財産だけでなく、借金や未払い費用といった「債務」も相続人が引き継ぐことになります。ただし、相続税の計算では、これらの債務は原則として「債務控除」として差し引くことが認められており、税額を左右する重要な要素です。しかし、すべての債務が控除できるわけではなく、相続の取得形態や相続人の居住地、債務の性質によっては控除が認められず、結果として相続税の負担が増えてしまうケースも……。そこで本記事では、この「債務控除」の基本と例外、判断のポイントを整理します。 

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「包括遺贈」と「特定遺贈」の違い

吉田課長「包括遺贈とはなんですか?」

 

遺言で、受遺者が引き継ぐ財産や債務について、具体的な財産ではなく“割合”だけを指定して承継させる遺贈を「包括遺贈」といいます。民法990条では、「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する」と定められています。

 

この規定からわかるとおり、包括遺贈は相続に非常に近い性質を持っています。したがって、包括遺贈により財産を取得する受遺者は、相続の場合と同じように、遺言で指定された割合に応じて債務も引き継ぐことになります。

 

相続税においても、この民法上の扱いを前提として、引き継いだ債務について債務控除を認めています。

 

特定遺贈では債務控除が認められない

吉田課長「では、包括遺贈以外の遺贈はなんと呼ぶのですか?」

 

包括遺贈以外の遺贈は「特定遺贈」といいます。たとえば、特定の不動産や特定の株式など、遺言者が具体的な財産を指定して与える遺贈のことです。

 

特定遺贈は、負担付遺贈のように特定の義務を負わせるものではなく、指定されるのは財産のみで、債務を引き受ける義務は伴いません。

 

したがって、特定遺贈により財産を取得した受遺者が相続人でない場合、被相続人の債務を引き受けたとしても、それは遺言に基づくものではなく、任意の債務引受にすぎません。

 

相続税の債務控除は、相続や包括遺贈のように法律上当然に債務を引き継ぐ場合に認められる制度です。特定遺贈はそのような扱いには当たらないため、相続人でない受遺者には債務控除が認められません。

相続人の「住んでいる場所」によって、債務控除の扱いは変わる

吉田課長「相続人が日本人の場合、日本に住んでいるか海外に住んでいるかで、債務控除の扱いは変わるんですか?」

 

はい。住所が日本にあるか外国にあるかによって納税義務者が異なり、控除できる債務の範囲は異なります(前掲1.(3))。

 

たとえば、日本に住所を有する日本人(無制限納税義務者)は、下記2.(1)(2)に掲げる債務について、原則としてすべて債務控除を受けることができます。

 

2.債務控除(相続税法13条1項) 

相続税の課税対象からは、次の(1)(2)の金額のうち、その者が負担する金額を控除する。

(1)被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む) 

(2)被相続人に係る葬式費用

 

これに対して、日本人であっても、相続開始前10年を超えて外国に居住している相続人(制限納税義務者)は、無制限納税義務者のようにすべての債務を控除できるわけではありません。控除できるのは、日本国内の財産に関連する債務など、その範囲が限定されます。

 

たとえば、制限納税義務者が日本国内の土地建物を相続し、その固定資産税を負担する場合には、その負担額は債務控除の対象になります。

 

次ページ債務控除の対象となる「2つ」の区分
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