生命保険の「権利」にも課税!?…節税対策のはずが、相続税と贈与税の「二重課税」に。「生命保険契約」に潜む落とし穴【税理士が解説】

生命保険の「権利」にも課税!?…節税対策のはずが、相続税と贈与税の「二重課税」に。「生命保険契約」に潜む落とし穴【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

身近な人を亡くしたときに避けられない「相続税」。この相続税を抑える対策として「生命保険の活用」が知られていますが、この「生命保険」の保険金を受け取っていない段階、つまりその「権利」にも相続税がかかることをご存じでしょうか。そこで本記事では、生命保険契約に関する権利が「みなし相続財産」として課税対象になる仕組みを、要件・評価方法・裁決事例をとおして解説します。

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一家を襲ったさらなる悲劇

税務署は、被相続人の子どもである相続人Aと相続人Bに対し、相続開始日にこの普通養老保険契約を解約した場合に支払われる還付金、契約者配当金、未経過保険料の額(=生命保険契約に関する権利)が、みなし相続財産として相続税の課税対象になると判断したのです。

 

その結果、孫3名は祖父から満期保険金を贈与により取得したのではなく、相続人であるAまたはBから贈与により取得したことになりました。

 

これを不服とした相続人Aは、審判所に訴えました。

 

吉田課長「審判所は、どのように判断したのでしょうか?」

 

審判所は次のように述べました。

 

「本件相続開始日において、保険事故(被保険者の死亡)が発生しておらず、また保険期間も満了していないことから、生命保険契約に関する権利は契約者である被相続人(祖父)に帰属する財産である。請求人および共同相続人は、被相続人の死亡により生命保険契約に関する権利を相続によって承継(取得)した」

 

つまり審判所は、税務署長の「みなし相続財産に該当する」という主張を認めました。

 

吉田課長「もし、被相続人(祖父)の死亡前に保険期間が満了していた場合はどうなったんでしょうか?」 

 

すでにお話ししたことですが、保険金の受取人は生命保険契約に従って祖父になり、所得税(一時所得)が課税されます。つまり、孫3名が保険金の受取人になる場合は、相続税と贈与税の2つの税が常に課税されるということです。

 

この裁決事例からは、保険金が支払われるタイミングや相続開始日の違いによって、課税関係が大きく変わる可能性があるということがわかります。

 

 

多田 雄司

税理士

 

 

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