(※写真はイメージです/PIXTA)

「タワマン節税裁判」と呼ばれた2022年の最高裁判決は、富裕層の相続税実務に決定的な転機をもたらしました。判決から3年が経ち、そのあいだの制度改革により「タワマン節税」はほぼ封じられたといえます。本記事では、その裁判内容を振り返るとともに、評価通達の歪んだ構造と相続税実務の現在地についてみていきましょう。

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「評価通達」の“歪んだ構造”

評価通達は、納税者間で評価額に差が生じることによる不公平を防ぎ、相続財産の評価に画一性を持たせる役割を果たしてきました。長年の運用を経て「行政先例法」とみなされるほど重い性格を持ち、納税者は基本的に通達に従って評価を行っています。

 

ところが、そのなかの「評価通達6」には、「通達による評価が著しく不適当な場合には、別の方法で評価する」と規定されており、同じ通達のなかにあるこの“例外規定”の解釈が、実務上たびたび議論の対象となってきました。

 

今回の件に関しても、一般的には「通達評価額が時価より高い場合」に限って適用されるとする見解があり、時価より低い場合に用いるのは信義則違反になり得るとの指摘もありました。

 

こうした議論に対し、最高裁は次のような重要な判断を示しました。

 

最高裁が示した3つのポイント

1.鑑定評価額は客観的な時価である

通達評価額を上回っても違法ではなく、相続税法22条にも違反しないと明言し、「時価=鑑定評価額」を支持しました。

 

2.平等原則に反しないためには「合理的理由」が必要

「特定の者だけ通達より高い評価を行うことは違法ですが、通達による画一的評価が実質的な公平を損なう場合には、合理性が認められる」と判断しました。

 

3.乖離の大きさだけでは、「評価通達6」は適用できない

単に通達評価額と時価の差が大きいだけでは適用条件を満たさず、

 

・相続直前の取得

・相続直後の売却

・購入が「商品取引」に近い性質を持つこと

・納税者の積極的な行為によって乖離が生じたこと

 

といった事情を総合的に勘案してはじめて、「評価通達6」の適用が認められるとしました。

 

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次ページ問題の本質は「通達評価」と「時価」の乖離
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