保険料が「会社負担」の保険金は、相続税がかかる〈死亡保険金〉か非課税の〈実質退職金〉か…相続人VS税務署が争った結末は【税理士が解説】

保険料が「会社負担」の保険金は、相続税がかかる〈死亡保険金〉か非課税の〈実質退職金〉か…相続人VS税務署が争った結末は【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

身近な人を亡くしたとき、思いがけず相続税がかかることがあります。「故人が持っていた財産」だけでなく、「みなし相続財産」として扱われる財産があるからです。今回はその「みなし相続財産」のなかでも「死亡退職金」に焦点をあて、相続税の対象になる条件や非課税になる特例、保険料の負担者と受取人によって変わる課税区分などについてみていきましょう。実際の裁決事例や法令にもとづき、多田雄司税理士が解説します。

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「弔慰金」は一定額まで相続税がかからない

吉田課長「『弔慰金』とは、どのようなものを指すんでしょうか?」

 

弔慰金とは、被相続人の死亡にともない相続人等が受けるお見舞いのお金のことを指します。これには、花輪代や葬祭料等も含まれます(相続税法基本通達3-20)。

 

非課税となる範囲

弔慰金は、次の区分に応じて、一定の金額までは相続税がかかりません。なお、一定額を超える部分については、「死亡退職金」として課税されます。

 

・業務上の死亡……普通給与(ボーナスを除く)の3年分まで非課税

・業務上の死亡でない場合……普通給与(ボーナスを除く)の半年分まで非課税

 

吉田課長「普通給与とはなんですか?」

 

俸給(基本給)、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当等を合計したものです。また、弔慰金の額が業務上の死亡で普通給与の3年分を超える場合は、遺族が受け取った弔慰金のうち、以下に示す「退職手当金等に該当しないもの」の金額が3年分を超えるときは、その金額が非課税の限度額とされます。半年分の場合も同じ考え方です。

 

■退職手当金等に該当しないもの(相続税法基本通達3−23)

次の①〜⑬により遺族が受ける弔慰⾦等については、死亡退職⾦には該当しない。

 

①労働者災害補償保険法に規定する遺族補償給付、葬祭料、遺族給付、葬祭給付

②国家公務員災害補償法に規定する遺族補償、葬祭補償

③労働基準法に規定する遺族補償、葬祭料

④国家公務員共済組合法に規定する埋葬料、弔慰金

⑤地方公務員等共済組合法に規定する埋葬料、弔慰金

⑥私立学校教職員共済法の規定において準用する国家公務員共済組合法に規定する埋
葬料、弔慰金

⑦健康保険法に規定する埋葬料

⑧船員保険法に規定する葬祭料

⑨船員法に規定する遺族手当及び葬祭料

⑩国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律に規定する弔慰金、特別弔慰金

⑪地方公務員災害補償法に規定する遺族補償、葬祭補償

⑫消防組織法の規定に基づく条例の定めにより支給される消防団員の公務災害補償

⑬従業員(役員を除く)の業務上の死亡に伴い、雇用主からその従業員の遺族に支給された退職手当金等のほかに、労働協約、就業規則等に基づき支給される災害補償金、遺族見舞金、その他の弔慰金等の遺族給付金(その従業員に支給されるべきであった退職手当金等に代えて支給される部分を除く)で、①から⑫までの弔慰金等に準ずるもの

 

吉田課長「業務上の死亡かどうか、どのように判断するのでしょうか?」

 

国税庁通達(相続税法基本通達3-22)では、

 

・仕事が直接の原因で亡くなった場合

・仕事と強い因果関係がある場合

 

これを「業務上の死亡」としています。

 

しかし、実際には「業務上の死亡」と認められなかったケースもあります。たとえば、昭和57年8月13日の審判所裁決が挙げられます。

 

 

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