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穏やかなエンディングを迎えさせてあげることも医師の務め
病気のなかには、外科系の技術で治せないものが多い。そのため、そうした病気の患者は内科に回ってくるわけだが、内科の技術をもってしても治療法は限られている。完璧には治せないことも少なくなく、手を尽くしても残念ながら亡くなってしまうことも多い。死生観をもっと教えないといけないと思う。
筆者が学生だった頃、患者の死は医師にとって「敗北」を意味した。しかし、現在では死は敗北ではなく、いかに穏やかなエンディングを迎えてもらえるかに焦点が当てられるようになっている。
その人らしく生きられるように、「こんな生活をしてください、食べ物はこんなものを食べて、適度な運動も社会参画もしてください」と20分も30分もかけて話をしてアドバイスする。病気が治らなくても、人生の最期までその人らしい生活ができ、そして穏やかに人生の幕を下ろせるようなプロセスを患者に踏んでもらえるようにするのも、われわれ医師の務めなのである。いわゆる、「死に方のQOL」を考えるべきというのが現代の医療の考え方なのだ。
筆者はアフリカ諸国へ行く飛行機の中では、「一人でも多くの患者を救うためにはどうすべきか」と考える一方で、アフリカ諸国から日本に帰ってくる機内では、「いかにその人にとってふさわしい最期を迎えさせてあげられるか」と思索にふける。皮肉にも治療を考えるうえで真逆なのだ。いかに日本の医療制度が優れているか諸先輩に感謝する。
直近で、そうした「その人にとってふさわしい最期をどう迎えさせるべきか」を深く考えさせられる機会があった。2024年7月10日、徳田虎雄氏を医療チームの責任者として看取ったのだ。
筆者が提案したのは「ご本人の尊厳を重んじましょう。いたずらにこれ以上延命処置はせず、お体が強く美しいままお見送りしましょう」ということだ。末梢循環障害のため皮膚の色が変わってきていた。そのため、無理に延命処置をするよりも、最期まで徳田虎雄氏らしい姿を残したまま、人生のエンディングを迎えてもらいたいと考えたのだ。
医師は患者の死からは逃れられない。そのため、その人にとって最高のエンディングの舞台を用意し、「よくがんばりました」と心からの拍手を贈りながらお見送りする。そうしたことも医師の役割なのである。
小林 修三
医師
日本腎臓財団 理事
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