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医師に求められる「覚悟」とは
患者やその家族の人生や背景まで背負ってしまうとなると、そのときには医師としての「覚悟」が求められる。しかし、医師になったばかりの頃には、医師に求められる覚悟とはいったいどんなものなのか、実はよく分かっていなかった人が大半だと思う。
覚悟といっても最初のうちはなかなかピンとこないだろうが、筆者は「医師の覚悟というのは患者の命を預かること・特に生活を考えること・自分の最も大切な人を診るつもり」と教えている。
どの患者にも、家族や親戚、大切な人がいる。その患者の命が危ない状態になったときには、その人たちに患者を延命させるべきか、延命せず自然に命を終わらせるべきかを選んでもらわなければならない。また、ひとたび災害が起これば自分の生活をある程度犠牲にしてでも飛んで行って患者を助けなければならない。救急医療もいつ必要になるか分からない。
救急の患者を断っても逮捕されたりすることはないが、その人が生きるか死ぬかという状況になって困っているのだから、自分の家族なら、医師であればなんとかしてあげたいと思うはずだと。医学の道を志した理由やきっかけはなんでも構わないのだが、医師には覚悟が必要だということは声を大にして言いたい。ただ、そう簡単にはいかないのが普通だ。
最初からみんながみんなそうした覚悟を持って医療の世界に入るわけではないが、医学部で6年間学び、そのまま国家試験を受けて合格すれば医師になれる。その後2年間は病院で研修医として勤め、さまざまな病気やケガの患者と接するたびに「医師としてこの人を助けたい」との思いを日に日に強くする。人の命を自分の手で助けられるのは医師だけなのだから、医師は本当にかけがえのない尊い仕事だ。
国や社会も本当にそうした医師ならば、「尊敬」という言葉だけではなく「待遇」も破格にすべきである。アメリカ人医師の給与と比べると、さまざまな経済指標を考えてもその何分の1ではかわいそうだ。せめて医師をランク分けするなど考え方ややり方はいくつもある。何もかも平等な日本はこれでいいのだろうかとも思ってしまう。
