「退職金も上乗せで8,200万円」…憧れの“旅行三昧”生活
「老後資金は十分すぎるほどありました。会社の退職金だけで3,000万円近く。加えて現役時代から積み立てていた預貯金もあったので、合計で8,200万円。持ち家もあったし、年金も月に20万円以上ありました」
そう語るのは、東京都在住の元建設会社幹部・石田勝彦さん(仮名・67歳)。3年前に定年退職を迎えた後は、かねてからの夢だった「世界中を旅して回る」生活をスタートさせました。
「最初はヨーロッパの国を巡る2週間のツアー。それから東南アジア、中南米、南極クルーズまで…とにかく“今しかできないこと”をやろうと思っていたんです。費用? 気にしたこともありませんでした」
航空券は基本ビジネスクラス、ホテルは星付きのラグジュアリーホテル。旅先では現地ガイドをつけ、オプショナルツアーも積極的に申し込んだといいます。
しかし、そんな生活も3年が経つと、状況が変わり始めました。
「ふと通帳を見たら、資産が3,400万円しか残っていなかったんです。こんなに使った覚えはなかったけれど、旅行保険・チップ・空港送迎・円安の影響…すべてが“塵も積もれば”だったんでしょうね」
実際、近年は旅行関連費用の高騰が顕著です。特に燃油サーチャージや円安の影響で、以前に比べ海外旅行1回あたりのコストが1.5倍以上になっているケースもあります。
「なにより怖かったのは、“お金の減り方に慣れてしまっていた”ことです。数十万円単位の出費でも驚かなくなっていた。これが習慣になっていたら、いくらあっても足りませんよね」
