(※写真はイメージです/PIXTA)

「プロの手による手厚いケア」を期待して選んだ、高額な老人ホーム。しかし、いざ施設での生活が始まると、家族の想いと施設の効率・安全といったルールの狭間で、深刻な乖離が生じることも……。本記事では、社会保険労務士法人エニシアFP共同代表の三藤桂子氏がAさんの事例とともに、家族が施設入居前に確認しておくべきチェックポイントを解説します。※事例は、プライバシーのため一部脚色して記事化したものです。

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90歳母を老人ホームへ

現在、再雇用として働く60歳のAさんは、64歳の夫と都内のマンションで二人暮らしをしています。二人の子どもは独立し、ようやく自分たちの時間を歩みはじめた矢先のことでした。

 

Aさんの父はAさんが50歳のときに亡くなり、それ以降、母が一人暮らしをしていました。しかし、1年前に自宅で転倒し、圧迫骨折をしてしまいます。幸い回復は早かったものの、一人での生活に不安を感じた母とAさんは、有料老人ホームへの入居を決断しました。

 

母の年金は、父の遺族年金と母の老齢年金を合わせて180万円(月額約15万円)。遺族年金は非課税であるため、母は非課税世帯に該当しますが、民間の有料老人ホームではほかの入所者と同様に相応の費用がかかります。

 

有料老人ホームは、老人福祉法に基づき、老人の福祉を図るため、その心身の健康保持および生活の安定に必要な措置として設けられている高齢者のための住居です。有料老人ホームは、下記のいずれかのサービスを提供している施設を指します。

 

1.食事の提供

2.介護(入浴・排泄・食事)の提供

3.家事(洗濯・掃除等)の供与

4.健康管理

 

また、その種類は下記のとおり大きく3つにわかれています。

 

●介護付有料老人ホーム:介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設(老人福祉法に加え、提供する介護サービスの内容や人員配置・設備等について、介護保険法に基づく規制を受ける)

●住宅型有料老人ホーム:生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設

●健康型有料老人ホーム:食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設

 

Aさんの母は圧迫骨折後の回復が早く、要介護ではなく要支援でした。そのため、将来的に介護が必要になってもホームでの生活が継続できるところを選ぼうと、Aさんはいくつもの施設を奔走しました。

 

次ページ母を入居させた少し予算オーバーな施設

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