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5G普及率世界一…中国でデジタル化社会が急速に進んだワケ
変革が起きた要因1:位置情報取得システムの整備
1つ目の要因は、高度なアプリ活用に欠かせない高精度の位置情報取得システムが開発されたことである。
中国では、精度の高い衛星測位システム「北斗」に、これを取り扱うアリババグループと巨大国有企業「中国兵器工業集団」の合弁で2015年に設立された「千尋」を組み合わせることで、その精度を1~2cmまで上げることに成功した。この連携により、世界で最も普及している5Gの威力はさらに発揮されていくだろう。
変革が起きた要因2:口コミ文化
2つ目は、中国社会では信用・口コミが重視されることである。中国では、グルメサイトやタクシーの配車アプリに利用者が書き込むことで信用スコアが形成されるようになっている。
新たな利用者はそのスコアを見てサービスを選ぶため、店舗やサービス事業者も利用者への応対が大きく変わり、一般消費者の安心感や信頼感を高めることにも寄与している。現在、決済システムの9割以上はアリペイとウィーチャットペイ(微信支付)の2社に集約されているが、その信頼性は高いとみられる。
変革が起きた要因3:段飛ばし戦術
3つ目は、中国のリープフロッグ文化である。日本なら一歩一歩進むところを、数段飛ばして前進させることで、一気に世界に追いつき追い越す戦術である。
電話線の国内敷設の促進を途中でやめて無線を使った携帯電話を普及させたり、自動車ではガソリン車の技術獲得を飛ばしてEVに移行させたりして、生産・市場・技術のレベルを一気に世界トップクラスに押し上げている。
中国は、ここ数年で大きく近代化した。5G版GPS、Wi-Fiなどのインフラ整備とともに、様々なプラットフォームの充実により、一般消費者の悩みを次々と解決している。
中国の経営者は、「考えたらすぐに実行し、実行しながら改善していけばいい」とよく言う。「考え込む時間がもったいない」ということだが、この合理性とスピードを重視する中国人の広い層に認められた環境が、今の中国にはあるといえる。