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過熱する中国IT大手の「SDV」開発競争
SDVの製造コストに占めるソフトの割合が20~40%となっているなか、ソフト人材を潤沢に抱えている大手テック企業は、SDVの開発に続々と参入し、スマホとEVが融合するコックピット、大規模AIモデル・自動運転の開発を急いでいる。
中国ではScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)は「STEAM」と呼ばれ、STEAM専攻の卒業生は2024年に500万人に達した。彼らに最も人気のある就職先はIT業界である。
一方、ファーウェイ、アリババ、テンセント、バイドゥなどITプラットフォーマーは、修士・博士の理系エリートを大量採用し、スピーディーに開発を行っている。
最大4000万円超…“破格の年俸”で若手エリートを囲い込むIT各社
ファーウェイは、2019年から「天才少年」と名づけた優秀な若手人材の募集プロジェクトを打ち出し、最先端技術を含む自社イノベーション力の向上を図ろうとしている。3階層に分けられた年俸額は89万~201万元(2019年時点・1元16円で計算すると、1424万~3216万円)で、中国の大学院卒平均年収の数倍に相当する。こうした破格の年俸で有能な人材を300人以上採用した。
2024年にはスマートカー・ソリューション事業部でも募集を開始し、コンピュータやロボット、AI、電子通信、制御の5領域にわたって車載電子やSDVの開発を急いでいる。
テンセントは2024年6月に「青雲計画」を打ち出し、大規模言語モデル分野に特化したトップ人材の確保を急いでいる。国内外のトップ大学の博士課程修了を最低条件とし、採用者数を前年比で5割増やす方針だ。博士課程修了者の報酬は年間70万元超が一般的だが、経験者で優秀な人材であれば100万~150万元となる。
またアリババグループは2024年7月にトップ人材向けの「T-Star計画」を打ち出し、新卒に世界の最先端技術課題を研究させる一方、若い優秀な技術人材を確保しようとしている。バイドゥは「AIDU計画」を設け、高い報酬とコンピューティングリソースを提供し、AI人材の育成に力を入れている。