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年間約50万人がUターン…帰国留学生が中国の成長エンジンに
1978年以降、中国から海外へ留学した学生はこれまで1000万人を超えている。この数年、毎年約50万人の中国人留学生が海外から中国に戻って就職・起業するなど、中国に新しい風を強く吹き込んでいる。
アリババ、テンセントが中国をネットの力で大きく変えたパイオニアだとするなら、その後を受け継ぐ海外帰国組からなる新世代が、高度な技術や経営手法を留学先で学び、続々と帰国して中国で新しいビジネスを生み出す源泉となる。
地方政府も各種政策を通し、補助金の支給などにより海外の優秀な人材の誘致やベンチャー企業の起業支援などに取り組んでいる。こうした若きエリートたちが中国にさらなる驚きをもたらすのは、もはや時間の問題だろう。
世界にあるユニコーン企業の「約13%」が中国企業
リサーチ会社のCBInsightsがまとめた世界ユニコーン企業約1270社には、中国企業162社がランクインしている(2025年4月末時点)。先端技術を駆使したユニコーン企業が続々と登場し、デジタル・イノベーションも様々な業界に広がっている。
サービス業では電子決済、スマホアプリを活用する電子決済やEコマースが普及する一方で、新たなニューエコノミーが創出されている。
また製造業では、IoTにより生産効率が向上し、様々な製品にデジタル技術が組み込まれ、高品質な製品として他社との差別化を実現できるようになっている。
伝統的な産業では、従来の技術、生産方式、成功体験に阻まれ、デジタル・イノベーションの推進は必ずしも容易ではない。中国は、AIや通信技術を駆使する製品・サービスの開発が先進国にキャッチアップするカギと位置づけ、製造業の高付加価値化を目指している。
生活に根づく「デジタル化」が、新たな産業を生む“土壌”に
中国社会ではデジタル化が浸透し、人々の生活に根づいたものになりつつある。電子商取引、テレワーク、ライブ動画配信、生成AIなどのアプリケーションが全方位で普及し、社会の運営効率が大幅に向上した。
ビッグデータやAIによるディープラーニングを通じて、個人行動など正確な把握と予測が可能になる。犯罪防止の観点から監視カメラが数億台設置され、その認識度は世界でトップクラスだ。そのアルゴリズムを使い、今ではマスクをしていても96%の確率で個人を認識できる装置も生まれている。一部のレストランやコンビニエンスストアでも、決済システムに顔認証を採用している。
そして企業・社会活動をより効率化させると同時に、新しい産業やイノベーションの創出につながるものである。ネット人口の増加、スマホの普及に伴い、通信・AI技術を生かした無人コンビニ、自動運転バス・ロボタクシーなどの新サービスの社会実装も急速に進んでいる。