「新築マンション価格指数」でみる東京23区の新築マンション価格
東京23区の新築マンションの販売データ(2005年~2024年)を用いて、品質調整をした「新築マンション価格指数」を作成し5、その動向を把握する。
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5 推計式は、『「新築マンション価格指数」でみる東京23区の市場動向(1)』の「3. 「新築マンション価格指数」の作成」を 参照されたい。
1.東京23区「新築マンション価格指数」の算出
(1)「新築マンション価格指数」(年次)算出の結果
(図表-1)に、東京23区の「新築マンション価格指数」(年次)の算出結果を示した。2024年の価格指数(2005年=100)は、前年比+13%上昇の「237.4」となり、過去最高を更新した。「新築マンション価格指数」でみる東京23区の新築マンション価格の推移は、大きく3つのフェーズ6に分類できる。現在は、2013年からスタートした上昇フェーズⅢ「アベノミクス以降の価格上昇局面」が継続している。
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6 上昇フェーズI:「2005年~2008年:リーマンショック前までの価格上昇局面(不動産ファンドバブル期)」、下落フェーズII:「2009年~2012年:リーマンショック後の価格下落局面(東日本大震災を含む)」、上昇フェーズIII:「2013年~:アベノミクス以降の価格上昇局面」。
(2)「新築マンション価格指数」と「平均価格・㎡単価」(不動産経済研究所公表)の比較
「新築マンション価格指数」と不動産経済研究所が公表する「平均価格」(図表-2)および「㎡単価」(図表-3)を比較すると、「平均価格」が前年比▲3%、「㎡単価」が同▲1%と下落したのに対して、「新築マンション価格指数」は同+13%上昇し、両者の間にかい離が生じる結果となった。
2023年は、総戸数が約1000戸で全住戸1億円以上とされる「三田ガーデンヒルズ」7等の高額物件が供給された影響で、「平均価格」は1億1,483万円(前年比+39%)、「㎡単価」は172.7万円(前年比+34%)」といずれも前年から大幅に上昇した。2024年は「平均価格」・「㎡単価」ともに下落に転じ、価格上昇が一服したように見える。
しかし、高額物件等の影響を取り除いて品質調整を行った「新築マンション価格指数」をみると、2024年の価格上昇率(前年比+13%)は前年(同+9%)を上回り、むしろ価格上昇の勢いが強まったことが確認できる。
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7 日本経済新聞「最高額45億円の三田ガーデンヒルズ、11月に2期目販売」2023/9/12



