(※写真はイメージです/PIXTA)

ローンの元金返済額が減価償却費を上回ってしまう状態に陥ることを、賃貸経営の世界ではデッドクロスと呼んでいます。この状態に陥ると、資金繰りが悪化する可能性が高く、非常に危険です。今回は、デッドクロスの発生原因や防ぐための方法、解決策について考察していきます。

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デッドクロスを防ぐための4つの方法

デッドクロスを防ぐ方法としては、以下の方法が考えられます。

 

返済期間を長くする

ローンの繰上げ返済を行う

キャッシュフローの多い物件を購入する

「元金均等返済」を選択する

 

返済期間が長いと月々の元金返済金額を抑えられるので、デッドクロスが発生しにくくなります。その半面、完済までの期間が長いと支払う利息の総額が増えてしまうというデメリットもあるので、融資を受ける前にシミュレーションを行うのが賢明です。

 

リノベーションによって稼働率を高めた物件は、より安定的なキャッシュフローを期待できます。順調に手元資金が積み上がって「借入残高<キャッシュフローの総額」というバランスになってくれば、繰上げ返済によって借入残高を減らしたり、完済したりといった手を打ちやすくなります。

 

また、返済が進んでも元金返済額がずっと変わらない「元金均等返済」を選ぶのも防止策の1つとして挙げられます。

「残りの耐用年数が長い物件を選ぶ」「頭金を多めに投入する」もデッドクロス回避の手段ではあるが…

■残りの耐用年数が長い物件を選ぶ

築浅の物件やRC造・SRC造の中古物件は、相対的に残りの耐用年数が長いため、耐用年数が終わるまでにローンを完済できれば「減価償却期間>返済期間」というバランスで、デッドクロスを回避することが可能です。

 

しかし、残りの耐用年数が長くても物件価格が割高だと利回りが低くなり、収益面での魅力が減少します。また、償却期間が長い場合、年間の減価償却費が少なくなるため、その分節税効果も小さくなります。結果的に、中古アパート経営の利点が薄れることに注意が必要です。

 

■頭金を多めに投入する

最初に投入する頭金を多くすると、その分だけ借入額(元金)が減ってデッドクロスに陥るリスクを抑えられます。

 

ただし、中古アパート投資をはじめとする不動産投資は、レバレッジ効果が大きな魅力ですが、頭金を多く入れるとその効果が薄れてしまいます。また、急な資金需要に対応しづらくなる可能性があります。デッドクロス回避に注力して、もとのメリットが減ってしまっては本末転倒でしょう。

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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