アパート経営では、万が一のときのために「相続」について考えておかなければなりません。アパートの相続の際、後悔することのないようにするためには、いくつかのポイントを押さえる必要がありますが、一体どのようなものでしょうか。本記事では、アパート経営の最終局面である「相続」について、法律事務所Zの溝口矢弁護士が解説します。
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子どもたちのためのはずが…遺したアパートが相続争いの火種に
60代のアパートオーナーのAさんは、万が一のことがあった場合にも3人の子どもたち(配偶者は先に他界)が仲良く幸せに暮らしていけるよう財産を残したいと考え、堅実にアパート経営を行ってきました。経営するアパートの価値は4,500万円(ローン返済済み)。Aさんは、そのアパートの1室に長女と2人で暮らしていました。
そしてある日、心配していた「万が一」の事態が現実となり……Aさんは急病によって亡くなってしまいます。
Aさんのアパート以外の財産は、貯金が数百万円程度あるのみでした。Aさんは遺言書を遺していなかったため、3人の子どもたちは相続について話し合うことに。しかし、意見は対立してしまいました。
自分が住んでおり、生前両親が大切にしていたアパートを売りたくないと考える長女。Aさんの死亡をきっかけにアパートを売却して得たお金を平等に分配し、新たなスタートを切るべきだと考える2人の息子たち。
お互いに公平・平等な相続をすること自体に争いはないものの、方針について意見がまとまらず、結局は調停でも解決ができないまま裁判へ……。
Aさんの「子どもたちに仲良く幸せに暮らして欲しい」という願いとは裏腹に、激しい言い争いが繰り広げられることとなってしまいました。これではAさんは浮かばれません。
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法律事務所Z
東京弁護士会
弁護士
2016年慶應義塾大学法科大学院卒業後、ベンチャー企業でのマーケティング等に関与。弁護士登録と同時に入所した弁護士法人Martial Artsでは、不動産分野、債権回収を中心に多数の一般民事事件や中小企業法務を取り扱った。不動産会社内で企業内法務にも携わる。
知的財産分野に関心があり、エンターテインメント関係の相談対応も手掛けている。
得意分野:不動産、債権回収、一般民事
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