お父さん、よく訴えられなかったね…〈年金月30万円〉で悠々自適の生活を送るはずだった76歳・元大手企業勤務の夫…罵倒されても寄り添い続けた妻が〈熟年離婚〉を決意した「娘のひと言」【CFPの助言】

お父さん、よく訴えられなかったね…〈年金月30万円〉で悠々自適の生活を送るはずだった76歳・元大手企業勤務の夫…罵倒されても寄り添い続けた妻が〈熟年離婚〉を決意した「娘のひと言」【CFPの助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

静男さん(76歳)は定年後夫婦2人で生活していました。しかし、定年後の静男さんの態度が最終的に離婚を招く結果になってしまったのです。今回は、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、熟年離婚の一例とそうならないための注意点について解説します。

毎月「約30万円」の年金を受け取って暮らす静男さん夫婦

静男さんは60歳で定年退職し、その後は年金だけの収入で暮らしています。妻の靖子さん(75歳)は専業主婦でしたが、静男さんの企業年金がかなり多く、76歳になる現在でも毎月30万円程度の年金を受け取っています。靖子さんの年金は老齢基礎年金だけですが、それでも夫婦2人ならゆとりのある生活を送れるでしょう。

 

静男さんは自分の親の世代を見て育ったこともあり、妻を働きに出すということは考えませんでした。逆に妻を働かせることは恥ずかしいと思っていた世代です。

 

静男さんは大手企業に就職し、その後順調に昇進していったこともあり、定年前には年収が2,000万円を超すこともあったそうです。また企業年金も手厚く、退職金と合わせると5,000万円程度あります。

 

靖子さんは専業主婦でしたが、子どもが小学校高学年になった頃からさまざまな趣味を持つようになりました。着付けを習ったり、革細工を作ったりと空いた時間を自分の趣味のために使っていたのです。

 

また、靖子さんは結婚前に実家でピアノの先生をやっていたこともあり、少しばかりの貯金もありました。

定年退職後の生活に不穏な影が…

静男さんは完璧主義で、自分の思うとおりに相手が動かないとイライラしてしまう性格です。もちろん会社では表面にだすことはありませんでしたが、定年という開放感から、その矛先が妻の靖子さんに向いてしまったのです。

 

靖子さんが掃除機をかけていると、「ぜんぜん掃除になってないじゃないか!」と怒り、靖子さんがすべての部屋の掃除機をかけ終わるまでチェックする日が続きました。

 

また、靖子さんは趣味を通じて知り合った友達も多く、日中に出掛けることもしばしばありました。靖子さんとしては夫が定年になる前から続いていた付き合いなので、当然のことと考えていましたが、しょっちゅう外出する靖子さんに対し、「俺の昼ご飯はどうするんだ!」言ってくるのです。

 

靖子さんとしては、近くにコンビニエンスストアもあることだし、自分で済ませてもらえるものと思っていましたが、「お前が昼間に外出するときは弁当を作っておけ!」と言われる始末。しかし、靖子さんは今まで不自由なく生活できたのは夫である静男さんのおかげだと思い、静男さんの言うとおりお弁当を作って外出していました。

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