脱・転勤族で「やっと家が買えるぞ!」53歳会社員、念願のマイホーム購入に歓喜。安全な返済計画だと思っていたが…20年後、老後破産の危機に「こんなはずでは」【CFPの助言】

脱・転勤族で「やっと家が買えるぞ!」53歳会社員、念願のマイホーム購入に歓喜。安全な返済計画だと思っていたが…20年後、老後破産の危機に「こんなはずでは」【CFPの助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

賃貸か購入か。永遠のテーマともいえますが、家を買う場合もそのタイミングは人それぞれ。中には50代以降で購入を決意する人もいるでしょう。しかし、50代といえば現役時代の終わりが見えてくる年齢でもあります。そのため、綿密に計画を立てないと、場合によっては老後破産に追い込まれるケースも。今回は、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、50代でマイホームを購入した男性が直面した危機をご紹介します。

50代で脱・転勤族…夢のマイホームを購入したい!

中村義男さん(仮名)は全国に支社がある会社に勤めており、これまでも何回も転勤を繰り返していました。子どもが義務教育のあいだは家族とともに引っ越していましたが、さすがに高校生になるとそうはいかず、義男さんはしばらくの間、単身赴任で暮らしていたそうです。

 

転勤が多いため、2歳年下の奥さんは子どもが生まれたことをきっかけに勤めていた会社を退職。その後、子育てに手がかからなくなってからは扶養内でパートで働いていました。しかし、50歳を過ぎてからは子どもも独立したこともあり、義男さんの給与収入のみで生活することにしました。

 

老後のことを考えてマイホームを持ちたいと長年考えていましたが、転勤がある間は叶わぬ夢でした。しかし、義男さんが53歳になったときに、さすがにもう転勤はないと判断し、念願のマイホームを購入することにしたのです。

 

戸建てかマンションか悩みましたが、老後のことを考えると、上下の動線がないマンションのほうが便利だと思い、マンションを購入することに。

 

義男さんの年収はその当時1,300万円くらいでしたが、当初は6,000万円以下の物件を探していました。それは、家を購入する際の目安として、年収の5倍程度が限界だという記事をみたからです。

 

ただ、住宅ローンを利用するにあたり、いろいろな金融機関のホームページをみてみると、「完済時年齢が満80歳未満」としているところが多く、53歳の義男さんは27年間で返済しなければなりません。

 

仮に金利1%で5,000万円のマンションをフルローンで購入した場合、返済額は毎月約17万円。管理費や修繕積立金、固定資産税の支払いを考えると、このあたりが上限なのではと考え直しました。

 

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