(※写真はイメージです/PIXTA)

親の介護やサポートは、多くの人が直面する課題のひとつです。しかし、どこまで関わるべきか、金銭的な負担をどうするかは、それぞれの家庭によって異なります。最初は助け合いのつもりでも、気づけば負担が偏り、親子関係に摩擦が生じることも少なくありません。今回は、親を支えたいという気持ちが思わぬ軋轢を生んでしまった歩美さんのケースをもとに、無理のないサポートの仕方やお金の負担のバランスについて、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが適切な距離の取り方と具体的な対策について解説します。

歩美さん(52歳)が独立した理由

歩美さん(52歳)はフリーのイラストレーターとして働いています。結婚はしていません。以前は企業に勤めていたものの、人間関係のストレスから鬱状態になり、1年近く休職していました。その後、復帰するかどうか悩んだ末、自分が得意としているイラストの仕事で独立しようと考えたのです。独立後は依頼先も少なかったものの、今では月30万円程度の収入で暮らしています。

 

歩美さんが独立したのにはもう一つ理由があります。それは親の病気です。休職中に父親が大腸がんになり、また母親も糖尿病の合併症が顕著に見られるようになってきたのです。

 

父親の大腸がんのときは約2週間の入院でしたが、手術前の診察や検査、さらに入院中など、頻繁に病院に行かなければなりませんでした。また、父親はもうそのときには車を手放していたこともあり、歩美さんが自分の車で母と一緒に病院に通っていました。

 

そのときに言われたのが「歩美が休職中でよかった。いろいろと役に立ってくれた。ありがとう」という言葉でした。

 

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