《少子化時代の学校》団塊ジュニア世代からの落差…過去20年間で減った「小学校の数」に衝撃【SAPIX代表が警鐘】

《少子化時代の学校》団塊ジュニア世代からの落差…過去20年間で減った「小学校の数」に衝撃【SAPIX代表が警鐘】

団塊ジュニア世代として200万人以上の出生数を経験した筆者が、少子化の現状と教育現場への影響を分析する。新型コロナウイルス感染症の流行が少子化に拍車をかけ、出生数は急減。学校の数も減少し、学校体系の維持に深刻な課題を突き付けている。本記事では、高宮敏郎氏の著書『「考える力」を育てるためにSAPIXが大切にしていること』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集し、少子化時代における今後の教育を支える鍵について解説する。

少子化に拍車をかけたコロナ禍

私は1974年生まれの団塊ジュニア世代です。私と同じ年に200万人以上の子どもが生まれていたのです。

 

今でも記憶に残っているのは、1997年に出版された『少子化時代の日本経済』(大淵寛/著、日本放送出版協会/刊)という本。当時、勤務先の近くの公園で、昼休みによく読んでいました。少なくともこの時点で、ゆくゆくは日本が少子化になるという未来を、当時の大人であれば皆が分かっていたのです。

 

残念ながら、新型コロナウイルス感染症の流行が引き金となり、政府予測よりもさらに早く少子化が進み、2022年の出生数は80万人を下回りました。長らく100万人台で、その後はゆっくりと下がっていましたが、ここでストンと下がってしまいました。今の小学1年生(2016年生まれ)が100万人を初めて割った世代です。そこから6年で、2割減少。本当に厳しい時代になったと感じます。

 

出典:令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の状況(厚生労働省)
[図表]出生数の減少(1974~2022年) 出典:令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の状況(厚生労働省)

 

新型コロナ感染拡大の影響によって出生数が下がった大きな要因は、結婚件数の減少(2020~2022年の間に、約16万600件減少。東京財団政策研究所の調査)です。

 

新型コロナ感染者数が下火になったとはいえ、そう簡単に結婚件数が元に戻る話ではないでしょう。しかしながら、出生数の増加には、結婚件数がこれまでの水準に戻るかどうかが大きなポイントだと思います。

 

しかし、現在最も人口の多い世代は50代なので、子どもの数を増やすのはなかなか難しいでしょう。この状況を鑑みても、この2、3年で結婚件数が減ったという事態をもっと重く受け止めなければなりません。

 

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※本連載は、高宮 敏郎氏の著書『「考える力」を育てるためにSAPIXが大切にしていること』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

「考える力」を育てるためにSAPIXが大切にしていること

「考える力」を育てるためにSAPIXが大切にしていること

高宮 敏郎

総合法令出版

未来を生き抜く子どもたちに必要な“正しく考える力”を伸ばす これからの時代を担う子どもたちにとって、「考える力」は欠かせないスキルの一つです。少子化やグローバリゼーション、AIの台頭などが取り沙汰される今、知識…

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