富裕層にも、富裕層を目指す人にも読んでほしい
〈ゴールドオンライン新書〉が登場!
対談者:北鎌倉女子学園理事長・藤崎一郎氏

日米協会会長
北鎌倉女子学園理事長
1947年生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中に外務公務員Ⅰ種試験に合格。1969年、同大学を中退して外務省に入省。米国ブラウン大学、スタンフォード大学院にて研修を受けた後、OECD代表部一等書記官、在英大使館参事官、北米局長、外務審議官などを経て、2008年、駐米特命全権大使に就任。
退官後の第二の人生では教育研究関係にも携わり、上智大学特別招聘教授・国際戦略顧問、慶應義塾大学特別招聘教授、中曽根平和研究所理事長を務めた。2022年、瑞宝大綬章受章。著書に「まだ間に合う 元駐米大使の置き土産』(講談社現代新書)。
失敗から「次」を生み出す力
藤崎
子どもたちに伝えたいのは、「どこに行っても困らないように、自分の手に職をつけること」の大切さですね。今の世の中に当てはめて言うならば、「英語なら任せてください」とか、「プログラミングのことなら誰にも負けません」といった人材なら、ほとんどの企業がその人をほしいと思いますよね。
どんな分野でも構わないので、そういう人材にならなきゃダメだと思うんです。「どこの大学を出て、どんな企業にいました」というだけでは、通用しない時代になったと理解すべきですね。
髙宮
日本の成長力が伸び悩んでいる理由の一つに、仕事の生産性の低さが挙げられます。その背景には終身雇用と年功序列があって、入社したら年次によって役職が上がり、本人の能力・実績に関係なく給料が上がっていく。かつてはうまくいっていた仕組みが、今は機能していないわけです。
組織というものにすがることなく、自分の力で先の道を切り拓いていく。本当にその通りだと思います。
藤崎
世の中はどんどん変わっていきます。今は若い人たちであっても、時代の激しい変化に常に対応し続けるのは大変なことです。時代はどんどん新しくなる一方で、自分はどんどん年を重ねていく。
だからこそ、若いうちに、自分自身にいかに投資するのかが大切なのです。若い人には、車やファッションなど身の回りのものにお金を使うよりも、自分に投資すべきですよと言っています。
髙宮
それは教育にとって、一番大事な観点ですね。ユダヤの方々が言っているように、「財産は奪えても、教育は奪えない」。まさにそれだと思います。
ところで、藤崎先生は映画「トップガン」はご覧になりましたか? 1986年に公開された「トップガン」のDVDにはメーキングの特典映像がついているのですが、その中で「この映画はベトナム戦争終結からまだ日が浅い時期に作られたので、仲間との別れが大きなテーマになっている」と解説されています。実際、映画の本編でも親友を失うシーンがあります。
ここからが非常にアメリカらしいと思うのですが、心の痛手を癒やす方法が描かれているのです。大事な思い出の品を箱に詰めていくことで、気持ちの整理をつけます。それを見ていて、率直に「すごいな」と感じました。米軍ではそこまでマニュアル化されているんだと。もう一つ感心したのが、エリートのバイロット養成学校である「トップガン」を首席で卒業すると、その「トップガン」の教官になるんですね。
藤崎
日本でも軍の学校の教官はエリートを使っていました。例えば、日露戦争で活躍した秋山真之さん。彼は海軍大学校の教官も務めました。しかし、日本の軍隊の場合、学科の成績重視で指導力や心のケアなどは重視しませんでした。そこは米軍と異なるように思います。
髙宮
私は別に米軍が好きなわけではないのですが、そこには、成長するためのエンジンのようなものが確実に存在しています。「失敗から確実に学んで、次の成功を生み出している」。その点が素直にすごいなと感じるわけです。
注目のセミナー情報
【資産運用】4月12日(土)開催
毎年8%以上の値上がり実績と実物資産の安心感
「アーガイル産ピンクダイヤモンド投資」の魅力
【資産運用】4月16日(水)開催
富裕層のための資産戦略・完全版!
「相続」「介護」対策まで徹底網羅
生涯キャッシュフローを最大化する方法