通信系ポイントサービスは、ポイントの使いやすさと確認のしやすさで他業界をリード
共通ポイントサービスの総合的な満足度の測定にあたって、「ポイントの貯めやすさ」、「ポイント確認のしやすさ」、「ポイントの使いやすさ」、「ホームページ/カスタマーサポート」の4つのファクターを設定している。
業界別にみて総合満足度が最も高い通信系のファクター満足度と流通系、金融系、交通系それぞれのファクター満足度を比較すると、共通して「ポイントの使いやすさ」と「ポイント確認のしやすさ」において大きな差が見られた。
通信系で「ポイントの使いやすさ」の評価が高い背景には、ユーザーにとってポイントを使いやすい環境が整っていることが挙げられる。
通信系では「携帯電話やインターネット利用料金などの支払いへ充当」している割合は12%と他より高く(流通系2%、金融系5%、交通系1%)、「ネットでの買い物・支払い時にポイントを使用」している割合も55%と他より高くなっている(流通系11%、金融系20%、交通系11%)。
自社経済圏でのポイント使用シーンが幅広く、ネット通販等のオンラインでの即時使用ができることも高評価につながっていると考えられる。
また、「ポイント確認のしやすさ」の評価が高い背景には、モバイルアプリの利用率や使いやすさがあげられる。モバイルアプリでの「ポイント確認のしやすさ」は、モバイルサイトやパソコンサイトでの確認と比較して大幅に高い評価を得ている。利用率を見ると、他業界では5~6割後半であるのに対し、通信系では8割にも達している。
モバイルアプリで保有ポイント数や利用履歴などを確認する際、「見やすい」、「情報・内容がわかりやすい」、「表示されるまでのスピードが早い」というようにポジティブに感じるユーザーの割合をみても、通信系が他業界よりも高く、通信系事業者が提供する各種アプリの利便性が高いことがうかがえる。
自社経済圏での金融サービス利用促進が顧客満足度を高める鍵
ポイント取得方法別の総合満足度スコアを見ると、前年に続き、投資信託の運用成果に応じてポイント還元される「ポイント運用サービスの利用 」が最も高く、次いで、系列の金融機関を通じた株式取引や投資信託の保有残高に応じてポイントが付与される「金融サービスの利用」によりポイントを貯めているユーザーの満足度が高い。
共通ポイントサービスの満足度を向上させるには、このような金融と連携したサービス利用によってポイントを貯めるユーザーを増やす仕組み作りが重要になる。
一方で、このようなサービス利用でのポイント取得の割合は、全体で見ると前年比で横ばいの動きとなり、1割台にとどまる。しかし、一部のブランドでは前年より利用率が増加しており、金融サービスとの連携促進が上手く実施できている企業と、そうでない企業で明暗を分ける結果となった。
新NISAの導入により、多くの人が投資を始め、長期的な視点で資産形成を意識する人が今後も増加していくと考えられる。自社経済圏への囲い込みに向けても、ポイントを基点とした金融サービスとの連携強化はますます重要になってくるだろう。