(※写真はイメージです/PIXTA)

いわずとしれた高級車「フェラーリ」。車好きの経営者のなかには、資産のひとつとして持っている人もいるかもしれません。一定の条件をクリアすれば、このフェラーリを「経費」として計上することができますが、一歩間違うと、税務調査で否認されてしまうケースも。フェラーリを経費とする方法と注意点について、税理士法人松本が解説します。

法人名義で高級車を購入する際は、「リセールバリュー」を意識

法人名義でフェラーリを購入する際の注意点については、以下が挙げられます。

 

・決算期と納車時期のタイミングも考慮する

・リセールバリューを意識する

・事業内容に適した車を購入する

 

それぞれの注意点について解説していきます。

 

決算期と納車時期のタイミングも考慮する

法人名義でフェラーリを購入する際には、決算期と納車時期のタイミングを考慮するようにしましょう。

 

減価償却は、年単位ではなく月単位で計算され、その分が経費として計上されます。また、減価償却の対象となるのは、車両が実際に納車されて事業で使用された日からです。たとえば、会計年度の初めに車が納車された場合は、1年間(12ヵ月分)の減価償却費を経費として計上することができます。

 

しかし、3月決算の法人が2月に車両を受け取った場合、その年度に経費として計上できるのは2ヵ月分のみとなります。

 

このように、自動車を法人名義で購入する際には、決算期と納車のタイミングを十分に考慮することが重要です。

 

リセールバリューを意識する

法人名義で車を購入する際は、リセールバリューが高い車を選ぶことが重要です。リセールバリューが高い車を選ぶことで、車を高値で売却できるので、手元に多くの資金を残すことができます。

 

また、資産価値が高いため、万が一の際にも十分な備えができたり、次回の車購入に多くの資金を回すことが可能です。

 

具体的に、リセールバリューが高い車には以下の特徴があります。

 

・国内外で人気があり、需要が高いこと

・納期が長く、手に入れるのが難しいこと

・生産台数が限られている希少なモデルであること

・ボディーカラーが白や黒など、汎用性が高い色であること

 

フェラーリがリセールバリューが高いのはもちろん、国内車ではアルファードやランドクルーザーなどが挙げられます。法人名義で車を購入する場合は、将来的に売却することを見越し、しっかりと戦略を立てておくようにしましょう。

 

事業内容に適した車を購入する

法人名義でフェラーリを購入する際には、事業内容に適しているか確認することも重要です。具体的に事業内容に適しているかどうかの確認項目として、以下が挙げられます。

 

・その車が事業運営に本当に必要かどうか

・事業とプライベートの利用がしっかり区別されているか

・車の購入額が事業の利益に見合った適切なものであるかどうか

 

上記の項目を証明するためには、客観的な資料を残しておくことが重要です。

 

経費として処理する以上、税務署は事業との関連性や必要性、費用の妥当性について厳しく確認します。万が一、購入したフェラーリが事業内容に適していないと判断されてしまうと、経費として認められないリスクもあるので注意が必要です。

 

 

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴税額ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

 

税理士法人松本

税務調査特化税理士法人として全国6ヵ所(渋谷、錦糸町、新宿、横浜、柏、大阪)にオフィスを構え、“成功報酬型”税務調査サポートを提供する税理士事務所では国内No.1の規模を誇る。国税局に勤めていた、いわゆる「国税OB」が複数名所属。税務調査相談実績は累計1,000件以上。一般業種より税務調査が厳しいと言われる風俗業界の税務に10年以上特化し、追加徴税額ゼロ円の実績も多数。

 

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