(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査を受けた際、調査官に書類への「一筆」を求められる場合があります。緊張する税務調査で急に一筆を求められたら、書かなければならないのか、断ってもいいのか判断に迷うケースもあるはずです。では、一筆に同意した場合と拒否した場合では、調査にどのような違いがあるのでしょうか。今回は、税理士法人松本が、税務調査で一筆が求められるシーンと一筆の「意味」について解説します。

税務調査で求められる「一筆」とは?

まず、税務調査の際に必ず一筆を求められるわけではありません。むしろ、一筆を求められるシーンは決して多いわけではないのです。

 

一筆とは質問応答記録書への「署名」のこと

税務調査で調査官から一筆書いてほしいと言われた場合は、質問応答記録書に署名をしてほしいという意味合いになります。質問応答記録書とは、税務調査時に調査官が納税者に質問をした内容とその回答を記載した文書です。

 

質問応答記録書は、調査官が作成した納税者とのやり取りの記録でもあり、署名があれば、納税者が書面の内容に同意したということの証明となり、証拠としての価値が高まります。そのため、調査官は税務調査終了後のトラブルに発展しないよう、納税者の同意を示す一筆を求めるのです。

 

調査官が一筆を求める理由

税務調査時に質問応答記録書への署名を求められるケースは多くはありません。なぜなら、税務調査時に一筆を求められるケースは、悪質な脱税が強く疑われる場合に限られるからです。

 

つまり、税務調査時に、仮装隠蔽などの悪質な行為が認められた場合は、確実に重加算税を賦課するため、納税者に質問応答記録書への一筆を求めるというわけなのです。

 

重いペナルティである「重加算税」

税務調査で、申告漏れや申告ミスを指摘された場合、正しく申告をしなかったことに対するペナルティである加算税の納付が求められます。

 

加算税は、申告漏れや申告ミスの内容によっていくつかの種類に分けられていますが、このうち最も重い加算税が重加算税です。重加算税の税率は、納税額が少なかった際に課せられる過少申告加算税に代わる場合は35%、申告そのものをしていなかった場合に課せられる無申告加算税に代わる場合は40%にもなります。

 

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