【遺産総額9,000万円】父の急死にかこつけて…「あなたの貯金額も教えなさい!」独身キャリアの二女へ〈資産開示〉を迫る専業主婦長女の強烈

【遺産総額9,000万円】父の急死にかこつけて…「あなたの貯金額も教えなさい!」独身キャリアの二女へ〈資産開示〉を迫る専業主婦長女の強烈
(※写真はイメージです/PIXTA)

父親の急死で相続が発生。両親と折り合いの悪かった姉は、実家から通帳を持ち出すなどやりたい放題です。おまけに独身で働く妹に、資産開示をするよう迫り…。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに、生前対策について解説します。

父親の死を知らされた姉、直行したのは病院ではなく…

今回の相談者は、40代の鈴木さんです。父親が急逝して相続が発生しましたが、姉とトラブルになりそうなためアドバイスがほしいとのことで、筆者の事務所を訪れました。

 

「父が急逝してしまい、いま、実家では母親が1人暮らしをしています」

 

鈴木さんの母親は、あまり健康状態がよくないため、週の半分は鈴木さんが実家へ立ち寄り、様子を見ているといいます。

 

鈴木さんは2人姉妹で、2歳年上の姉がいます。姉は実家から2駅ほどの距離に暮らしていますが、専業主婦のため家を空けられないといって、実家に戻ることはほとんどありません。

 

「姉の家は私の家よりずっと近いのに、自分の家庭のことが忙しいといって、父の介護もほとんど協力してくれませんでした。もっとも、姉は父親とそりが合わなかったので、それも理由だと思うのですが…」

 

鈴木さんの姉は父親と不仲な一方、おとなしいタイプの母親には極めて高圧的でした。

 

父親が入院していたときには「亡くなったら教えて」といったきり一度も顔を見せることなく、その後、亡くなったと知ったとたん、父親の入院先ではなく実家に直行し、預金通帳や実印を持ち出したといいます。

 

「家に帰った母が、すぐ気づきました。幸い、キャッシュカード類は母のサイフに入っていたので、口座のお金は引き出せなかったみたいです。しかし、私が〈なぜそんなことをするのか〉と問いただしても〈私は長女だから当然〉といって、書類を返そうとしません…」

 

鈴木さんが慌てて銀行に相談すると、銀行はすぐ父親の口座を凍結する措置を取りました。

「あなたの財産も、この場で明らかにしなさい!」

その後、父親の相続手続きについても、姉は家族に相談することなく、勝手に知り合いの税理士に依頼してしまいました。

 

「父は遺言書を残していなかったですし、どんなに姉が騒いでも、結局、3人で話し合うしかありませんよね? ですから、それは構わないのですが…」

 

鈴木さんが困っているのは、姉が鈴木さん自身の資産についてうるさく聞きまわることだというのです。

 

鈴木さんは独身で、アート系の少し特殊な仕事に就いています。同年代の女性と比較すると収入はかなり高めで、40歳になってすぐ都内にマンションを購入し、老後の資産形成も行っています。

 

「税理士の先生にアドバイスされたのかわかりませんが、姉は〈あなたは将来、私の子どもたちの世話になる〉〈だからここで、ついでにあなたの貯金額も教えなさい!〉としつこくて…」

 

しかし、今回やるべきなのは父親の相続税の申告です。父親の財産を確認したうえ、遺産分割協議を行い、その後の相続税の申告・納税をスムーズに行うことが目的です。鈴木さん個人の財産はまったく関係ありません。

 

筆者がそのように説明すると、鈴木さんは「ですよね…」というと、うんざりしたような表情を浮かべました。

姉が迫った「遺産分割案」の内容

鈴木さんの父親の財産は、自宅不動産が3,000万円程度、預貯金が6,000万円程度で、1億円に届かない金額でしたが、相続税の基礎控除を超えているため、相続税の申告が必要です。

 

「母の老後のことがあるので、私はできるだけ多く母に相続してもらいたいのですけれど、姉は…」

 

筆者は、妹に資産内容の明示を迫るという強烈なエピソードから、どれほど無茶な遺産分割の要求が出ているのかと身構えました。

 

「自宅は母に、現金は3分割にしようというのです」

 

「あ、ああ。そうですか…」

 

出てきたのは、意外に常識的な遺産分割案でした。

 

すべてを母親が相続すれば納税は不要ですが、子どもにまだお金がかかる姉は、この段階で、ある程度相続しておきたいということなのでしょう。

 

筆者は鈴木さんに、まずは姉の案に同調しつつ、できるだけ穏便に父親の相続を終えることをお勧めし、また、その後の母親の相続についても、あわせて母親の意向を聞いておくようお伝えしました。

 

独身で子どもがいない方の場合、きょうだいがいれば、確かにきょうだいが相続人です。しかし、多額の負債を抱えたまま自分の相続が迫るといった特殊な事情でもない限り、あえて自身の資産内容を知らせる必要はないといえます。もし聞かれる場合は、意図を聞いたうえで回答を検討するようにしましょう。

 

 

※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

 

曽根 惠子
株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士

 

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

 

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

 

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本記事は、株式会社夢相続のサイト掲載された事例を転載・再編集したものです。

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