新NISAの非課税枠は「1,800万円」に大幅拡大
金融庁のホームページに掲載された新NISAと旧NISAの制度概要を、[図表1]にまとめたので参考にしてください。簡略化のため、旧NISAで17歳以下の未成年が利用できる「ジュニアNISA」は割愛しています。
新NISAでは生涯非課税枠が1,800万円に拡充され、旧NISAよりはるかに大きな投資元本を、生涯かけて非課税投資できるようになります。
また、従来は一般NISAか、つみたてNISAか、どちらか一つを選ぶ必要がありましたが、新NISAでは併用が可能に。
口座内に「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の二つの枠が設けられ、非課税投資できる総額は1,800万円(年間投資枠の上限は360万円)に拡大します。
そして、そのすべてをつみたて投資枠として使うことができます(ただし年間投資枠の上限は120万円)。一方、最大1,200万円(年間投資枠の上限は240万円)までは成長投資枠として使うことができます。
いわば、つみたて投資枠1,800万円という受け皿の中に、成長投資枠という小さな受け皿が含まれている構成になります。ちなみに「年間投資枠」というのは、1年間に新NISA口座で投資できる金額の上限です。
株価指数に連動したインデックスファンドなどへのつみたて投資(旧NISAのつみたてNISAとまったく同じ仕組み)については、最大1,800万円(年間投資枠120万円)まで行えます。残りの成長投資枠の年間投資枠240万円を使って、つみたて投資をしてもかまわないので、年間投資枠の実質的な上限は360万円です。
成長投資枠(旧NISAの一般NISAとほぼ同じ仕組み)を使えば、米国株を含む個別株、ETF、アクティブ型投資信託(ただし、毎月分配型やレバレッジ型は除く)への投資も可能です。
投資で得られる利益にかかる税金は、非課税が「当たり前」に
また、旧NISAと違って、運用資産の一部を売却した場合、翌年にはその分の非課税枠が復活するので、総額1,800万円の投資枠を再利用して、何度も繰り返し非課税運用できるようになったことも大きな改変点です。
投資元本1,800万円といえば、普通の人にとっては一生かけて投資に回す資金としては十分な金額です。つまり、2024年以降、多くの個人投資家にとって、もはや投資で得られる利益にかかる税金は非課税が当たり前になるということ。
新NISAで投資できる1,800万円という“非課税の箱”を埋め切って、その箱の中でお金にお金を稼いでもらう仕組みをできるだけ早く作ることが、老後の資産形成の切り札になります。一生涯、お金を生み出し続けてくれる頼れる“金庫番”のような存在が新NISAというわけなのです。
山口 貴大(ライオン兄さん)
株式会社バイアンドホールド
代表取締役社長
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?

