長期的に利益が得やすいように設計された「NISA」
2024年から始まる新しいNISA(ニーサ)。手放しで「これは素晴らしい」と拍手喝采したい投資制度です。
そもそも、「NISA」は「Nippon Individual Savings Account」の略で、直訳すると「日本の個人貯蓄口座」という意味になります。「貯蓄口座」というと銀行預金のようなイメージですが、NISAで投資できるのは、株式や投資信託など。NISA口座で購入されている投資信託は、日本や米国、世界の株式に投資する投資信託が大半です。
NISAを始めたばかりの初心者の方に、「NISAで株式投資されているんですね?」と聞くと、「いえ、私、株式投資はしていません。NISAに投資しています」と答えられる方もいるようです。
「NISA、NISA……」と名称ばかり連呼されると、NISAと株式投資は“別物”と勘違いされる方がいるのも無理はないでしょう。
ただ、投資の仕方は多少異なるものの、NISAも株式投資も、自らの資産を主に株式で運用している点に違いはありません。つまり、元本保証のある銀行預金とは違って元本保証はなく、もしかすると損をして元本が目減りするリスクもあります。
しかし、2023年8月現在、メガバンクの普通預金金利は年率0.001%。よくいわれる話ですが、100万円を普通預金口座に貯金しても、1年間でたった10円しか利息がつきません(実際はそこから2円の税金が引かれて残るのは8円)。
2023年6月の全国消費者物価指数(総合)は前年同月比で3.3%も上昇しているので、実質的に銀行預金の価値が目減りしてしまう状況が続いています。
「物価高に負けないためにも、大切なお金を少しでも増やして老後に備えたい」という切実な思いの受け皿になるのが、リスクはあるものの、大きなリターンも期待できるNISAというわけです。
「株式投資は損するので怖い」という人も多いですが、従来の株式投資と比べて、NISAでの投資は長期的に利益が得やすいように制度設計されています。
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