「国」をあてにするのはムダ…20代・30代は「生涯賃金3億円以上」を目指すべきといえるワケ【経営コンサルタントが解説】

「国」をあてにするのはムダ…20代・30代は「生涯賃金3億円以上」を目指すべきといえるワケ【経営コンサルタントが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

20代・30代の若い世代は、社会人になった途端に「老後」の心配をする傾向があるようです。経営者として2つの企業を上場させた実績をもつ経営コンサルタント・池本克之氏は、国をあてにせず、「生涯賃金3億円」を目指すべきといいます。どういうことでしょうか。池本氏の著書『「それでも稼ぐ人」33のルール』(三笠書房)から一部抜粋してお届けします。

「何がなんでも生涯3億稼ぐ」と決める

そうして「老後を漠然と心配する」ことに意味はないとわかったら、次にやるべきは老後の資金を算段することです。

 

「将来、何があるかわからないのに、算段できない」と思いますか?そのとおり。でもある程度予測して算段しておかなければ、どんなふうにお金を稼いでいくべきかの見通しが立てられません。

 

結局、老後の不安を払拭(ふっしょく)できないまま、闇雲に働くことになるのが関の山。それでは上手にお金を稼ぐことも、増やすことも難しいですよね。どう算段するかは人によって異なりますが、とりあえず平均的な生涯賃金をメドにするといいでしょう。

 

たとえば大学・大学院を卒業して、フルタイムで働き続けた場合の60歳までの生涯賃金(除く退職金)は、男性で2.6億円、女性で2.1億円だそうです(出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している「ユースフル労働統計2022―労働統計加工指標集―)。

 

ちなみに生涯賃金は、給与の総額です。手取りの金額は、社会保険料や所得税・住民税などで2、3割引かれた額になります。また非正規雇用だと、フルタイムで勤務し続けてもマイナス1億円くらいになるそうです。

 

ともあれ、私がアドバイスしたいのは、この平均的な生涯賃金を最低ラインとし、それを上回る賃金―たとえば3億円を何がなんでも稼ぐ、と決めることです。

 

「え、決めるって……それだけ?」と思うかもしれませんが、そう決めるか否かで、思考がまったく変わってきます。

 

稼ぐ額を決めないと、安い報酬でも「まぁ、しょうがないな」と現状に甘んじてしまいがちです。年収アップを目指す思考回路が閉じてしまい、もっと稼ぐための方法を考えることができなくなるのです。

 

一方、「何がなんでも生涯3億稼ぐ」などと決めると、思考が、「このままじゃあ、とても達成できそうもない。月収を3割アップするには、どうすればいいだろう」「どういう年収曲線を描けば目標が達成できるかをシミュレーションしてみよう」といった方向に向かいます。

 

結果、成績を上げるための働き方を考え実行したり、いま勤めている会社に見切りをつけて望む報酬の得られる会社に転職したりと、行動が違ってくるのです。

 

「思考が行動をつくる」という視点から、生涯賃金の目標額を設定して、現時点からどのくらいの年収を稼いでいけばいいかを算段することが重要なのです。ざっくりいうと、「役職定年になる前までに年収2,000万円に届く働き方をする。60歳を過ぎると年収が半減するが、65歳くらいまでは会社の世話になるなり、あるいは転職するなりして、仕事を頑張る」

 

というイメージでしょうか。それが実現すれば、生涯賃金で3億円、4億円は軽くクリアできるはず。プラス年金収入が見込めますから、よほど資産を大きく減らすようなことをしなければ、老後に必要な費用は賄えるでしょう。

 

大ざっぱに計算すれば、あなたがいま35歳だとして、65歳までのあと30年間、生活費に毎月30万円かかったとしても、支出額は約1億円。十分にお釣りがくるはずです。

 

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「それでも稼ぐ人」33のルール

「それでも稼ぐ人」33のルール

池本 克之

三笠書房

給料が上がらない。学歴がない。いまは不景気だ。もう若くない―― 「それでも稼ぐ人」に共通する仕事術、投資術、人生戦略とは? ◎できる人は、自分の年収は自分で決める ◎「副業」なんかしない ◎「一円玉」でも迷わ…

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