時間を味方につけてお金を増やす
◆私の資産運用はここからはじまった
特殊な例を除いて、若いころはみんな、お金がなくて生活費に苦しむものです。私もその例に漏れませんでした。
社会人になって大阪で一人暮らしをはじめたばかりのときは、150円とか200円のクリーニング代も惜しんで、自分でワイシャツを洗濯し、アイロンがけもしていたくらいです。
でも、どんなに頑張って節約しても、生活費をゼロにすることはできません。それで、あるとき、ふと気づいたのです。
「節約には限界があるけど、稼ぐことは青天井じゃないか。1,000円稼ぐ方法を見つけたら、それを2,000円稼ぐ方法に発展させていけばいい」と。
そんな私がまず手がけたのは、運用をするための「種銭づくり」です。ある程度お金を貯めないことには何もはじまらないので、まず銀行の口座から給料日に自動的に天引きして積み立てる方法を選びました。
というのも、私は「本業専心タイプ」で、相場を研究したり、こまめに売り買いしたりする暇などなく、そういう運用は向いていないからです。天引き型なら、何も気にせず、知らないうちに貯まります。
積み立てには、積立預金や財形貯蓄、るいとう(株式累積投資)、純金積立など、いろいろあります。どれでもいいのですが、私は、るいとうを選びました。
るいとうとは、単元未満株式(銘柄ごとに決められている最低売買単位である一単元の株数に満たない株式)を購入する投資方法の一つです。証券会社が提示する銘柄のなかから好きなものを選び、毎月一定の金額で購入するものです。毎月1万円程度と、少額で株式投資をはじめられるのが一番のメリットです。
また一定の金額を投資するので、価格が高いときには少なく、下がっているときには多く購入できるのもいいところです。これは「ドルコスト平均法」といって、自分で投資のタイミングをはかる必要がなく、自動的にリスクを低減することが可能です。
このほか、継続して購入し、保有株数が増えると、その比率に応じて配当金を受け取ることができます。
◆「お金を残す」ための鉄則
どうですか、この投資方法なら、本業にかける時間を差し引いてまで投資の勉強をすることはありませんよね。投資初心者の若い人向きの手法だと思います。
じつはいまも私は、この種の運用が好きで、20年ほど純金投資を続けています。毎月、金とプラチナを一定額買っていて、ここのところの相場が上向いているので、いま換金すれば、おそらく投資額の6倍くらいに増えていると思います。
このように、初心者のうちはとくに、投資したことすら忘れるくらいでちょうどいいと思います。なぜなら、運用の結果をいちいち気にせず、思い切り本業に取り組めますからね。
前述の天引き方式を使い、積み立てをしたなら、単純計算で、月2万円で年間24万円、4年2ヵ月で100万円貯まります。「4年経って気づいたら100万円貯まっていた」という感じでしょうか。おそらく天引きを利用していなければ、100万円は残らなかったでしょう。
月に2万円というお金は、残すのは難しいけれど使うのは簡単な金額です。「とりたてて何に使ったわけでもないのにいつの間にかなくなっている」のがほとんどでしょう。
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