東京オフィス賃料は下落継続。物流市場は大量供給の影響で空室率が上昇-不動産クォータリー・レビュー2023年第3四半期

東京オフィス賃料は下落継続。物流市場は大量供給の影響で空室率が上昇-不動産クォータリー・レビュー2023年第3四半期
(写真はイメージです/PIXTA)

2023年7月~9月の東京オフィス賃貸市場では、東京Aクラスビルの成約賃料が下落し、空室率が上昇する結果となりました。一方、物流賃貸市場でも、首都圏・近畿圏ともに空室率が上昇しています。本稿ではニッセイ基礎研究所の吉田資氏が、2023年第3四半期の不動産市場の動向について解説します。

2.地価動向

地価は住宅地、商業地ともに上昇している。国土交通省の「地価LOOKレポート(2023年第2四半期)」によると、全国80地区のうち上昇が「74」(前回73)、横ばいが「6」(前回7)、下落が「0」(前回0)で、住宅地では5期連続で全ての地区が上昇となった(図表-7)。

 

同レポートでは、「住宅地では、マンション需要に引き続き堅調さが認められたことから上昇が継続。商業地では、人流の回復傾向を受け、店舗需要の回復が見られたことなどから上昇傾向が継続した」としている。

 

 

また、野村不動産ソリューションズによると、首都圏の住宅地価格(10月1日時点)は前期比+0.8%となり13四半期連続でプラスとなった。

 

東京都区部では都心5区を中心に上昇が続いているが(図表-8)、詳細を確認すると、価格上昇に対応できない購入検討者が増加しているためか、一部の周辺区では価格の下落がみられ上昇ペースは鈍化している。

 

次ページ3.不動産サブセクターの動向

※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年11月9日に公開したレポートを転載したものです。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧