(写真はイメージです/PIXTA)

国内金価格が史上最高値を更新し、歴史的な高騰を続けています。金価格高騰の背景にはどんな事情があるのでしょうか。本稿では、ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏が金相場高騰の背景と展望について概観します。

3. 金融市場(8月)の振り返りと予測表

(10年国債利回り)
8月の動き(↗) 月初0.5%台後半でスタートし、月末は0.6%台半ばに。


月初、堅調な米経済指標を受けた金融引き締め長期化観測等に伴う米金利上昇が波及する形で上昇し、3日0.6%半ばに到達。ただし、日銀が同日に臨時オペで金利抑制姿勢を示したことで、以降上昇は一服。順調な国債入札結果も債券の買い安心感に繋がり、9日には0.6%を割り込んだ。

 

一方、中旬以降は金融引き締め長期化観測に伴う米金利の急上昇や入札の不調を受けて上昇基調となり、22日には約9年半ぶりの高水準となる0.6%台後半に到達。その後、月の終盤には弱めの米経済指標やジャクソンホールでのパウエル議長講演通過を受けて米金利上昇が一服し、月末は0.6%台半ばで終了した。

 

(ドル円レート)
8月の動き(↗) 月初142円台後半でスタートし、月末は146円台前半に。

 

月初、日銀の臨時オペ実施に伴う円売りと米経済指標鈍化、米国債格下げに伴うドル売りが交錯し、10日にかけて141~143円台での一進一退の展開に。その後はインフレ圧力の根強さを背景とする米金融引き締め長期化観測によって米金利が大幅に上昇してドル高基調に。

 

17日には146円台半ばに到達した。下旬にはジャクソンホール会議でのパウエル議長講演を控えて様子見地合いとなり、144~146円台前半での一進一退に。円買い介入への警戒感も円の下値を支えた。パウエル議長講演を受けた28日には米金融引き締め長期化が意識されて146円台半ばへ上昇したが、米雇用指標の鈍化がドルの上値を抑え、月末は146円台前半で終了した。

 

(ユーロドルレート)
8月の動き(↘) 月初1.09ドル台前半でスタートし、月末は1.08ドル台半ばに。


月上旬は米経済指標の鈍化とリスクオフのユーロ売りが交錯し、1.09ドル台での膠着した推移となった。その後、ECBの金融引き締め長期化が意識されたことで10日に1.10ドル台に乗せたが、中旬以降には米インフレ圧力の根強さが確認され、米金融引き締めの長期化観測が高まったことでユーロが下落し、18日には1.09ドルを割り込んだ。

 

下旬には欧州の景況感悪化を受けて一旦1.08ドル台前半に落ち込んだものの、その後公表された米雇用指標の鈍化がドルを下押しし、月末は1.08ドル台半ばで終了した。

 

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年9月1日に公開したレポートを転載したものです。

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