(写真はイメージです/PIXTA)

8月31日、欧州委員会統計局が公表した速報値によると、8月の消費者物価指数は前年同月比5.3%上昇し、7月から横ばいとなりました。本稿では、ニッセイ基礎研究所の高山武士氏が今回の速報値の詳細について概観します。

1.結果の概要:総合指数、コアともに前年比5.3%

8月31日、欧州委員会統計局(Eurostat)は8月のユーロ圏のHICP(Harmonized Indices of Consumer Prices:EU基準の消費者物価指数)速報値を公表し、結果は以下の通りとなった。
 

【総合指数】
前年同月比は5.3%、市場予想1(5.1%)から上振れ、前月(5.3%)と同じだった(図表1)
前月比は0.6%、予想(0.4%)より上振れ、前月(▲0.1%)からプラスに転じた

【総合指数からエネルギーと飲食料を除いた指数2
前年同月比は5.3%、予想(5.3%)と一致し、前月(5.5%)から低下した(図表2)
前月比は0.3%、前月(▲0.1%)からプラスに転じた

 

 

1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 日本の消費者物価指数のコアコアCPI、米国の消費者物価指数のコアCPIに相当するもの。ただし、ユーロ圏の指数はアルコール飲料も除いており、日本のコアコアCPIや米国のコアCPIとは若干定義が異なる。

 

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次ページ2.結果の詳細:物価減速ペースは依然として不確実性が高い

※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年9月1日に公開したレポートを転載したものです。

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