フランチャイズは精緻なマニュアルや大手の看板をかかげられるメリットがある一方、初期費用がかさむこともあり、失敗した場合のダメージが大きいというデメリットもあります。そこで、フランチャイズで成功するために重要な方法・考え方について、著書『儲かるコンビニのフランチャイズの教科書』(自由国民社)より、長瀬環氏が解説します。

「より儲かる方法」を選択しないワケ

参入障壁が高いビジネスほど安定した経営を行うことができます。

 

金融機関から多額のお金を借りて行うフランチャイズはそういった意味では参入障壁が高いのではないでしょうか? 他の人が参入しにくいというメリットは大きいといえます。

 

しかし、多くのビジネスパーソンは「家」以上の買い物をしたことがありません。家のローンも残っているのに、家より高い建築費を払って事業を行うことに、躊躇してしまいます。

 

私が加盟するコンビニチェーンには自前店舗型契約と本部店舗型契約という契約形態があります。自前店舗型契約の出店は5,000万円以上、本部店舗型契約の出店は400万円程度です。

 

初期投資に大きな差があるように、オーナーの手元に残るお金も大きく違ってきます。もちろん自前店舗型契約のほうが儲かります。

 

例えば、同じ日販60万円の売り上げで経費も同様に使った場合、自前店舗型契約と本部店舗型契約の月々の利益の差額は80万円以上です。自前店舗型契約はそこから賃料や建築代の返済がかかりますが、それでも30万円ほど多く残ります。

 

もちろん、家賃の高い都市部ではこうはいきませんが、むしろ「都市部」と言われるところより「地方」と言われる地域のほうが、圧倒的に多いことを考えると、この数値は多くの場所で当てはめることができるでしょう。

 

自前店舗型契約では、建築費の支払いや地代家賃がかかってくるものの、地方で出店するなら自前店舗型契約のほうが儲かります。

 

自前店舗型契約と本部店舗型契約で仕事の内容も契約期間も同じです。それなのに、なぜ多くの人が本部店舗型契約で出店しようとするのでしょうか(2021年自前店舗契約4,420店、本部店舗契約1万6,358店)?

 

それは「借金をするのがこわい!」からです。借り入れをすることと借金をすることが同義になってしまっているのです。

 

もちろん私は、他店舗のオーナーから「複数店経営をしたいのだけれどプランをどう組み立てたら良いのか」と相談を受ければ、必ず「自前店舗型契約でやりましょう!」とアドバイスをします。相談に来る方は1店舗目の経営を成功させ、この商売を続けていく覚悟があるから2店目にチャレンジしようという方です。

 

15年の契約満了で撤退するという考えは持っていない方が大半です。ならば、確実に儲かる自前店舗型契約をすすめるのが当たり前です。

 

「お金をかければ失敗しないのか」というとそう言い切ることはできません。しかし持ち家の「借金」と事業にかかる費用の「借り入れ」は同じではありません。どちらもお金を借りることに違いはありませんが、そこから収入が生まれるのかという大きな差があります。

 

借り入れと考えて、フランチャイズ起業を検討してみるといいでしょう。

 

 

長瀬 環

 

大手コンビニフランチャイズオーナー

 

 

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※本連載は、長瀬環氏による著書『儲かるコンビニフランチャイズの教科書』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

儲かるコンビニフランチャイズの教科書

儲かるコンビニフランチャイズの教科書

長瀬 環

自由国民社

現在、起業の選択肢の1つとして有力になりつつあるフランチャイズ。一見、本部の下での経営は安定しているように見えますが、実際は、普通の会社経営と同じように多くの苦労を抱えています。 本書は、年商17億円・店舗数7店…

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