14億人市場の争奪戦…「中国ビジネスの難しさ」を知った「欧米日」による中国進出の動向【伊藤忠総研・主任研究員が解説】

14億人市場の争奪戦…「中国ビジネスの難しさ」を知った「欧米日」による中国進出の動向【伊藤忠総研・主任研究員が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

2023年現在の中国人人口は14億2,570万人で世界第3位。その市場規模に魅せられた欧米を始め、日本の企業らが次々に中国でのビジネス拡大を狙っています。本記事では、株式会社伊藤忠総研・主任研究員の趙瑋琳氏の著書『2030年中国ビジネスの未来地図』より、欧米日による中国進出の動向について解説します。

金融分野への参入に積極的な米国企業

かたや米国企業はどうかと言うと、2018年以降も米国企業による中国進出とビジネス拡大が後を絶ちません。

 

「テスラ」と持ちつ持たれつな中国

既に上海工場をフル稼働している米国の新興EVメーカー・テスラは、中国での投資、生産能力の向上および研究・開発の拡大を表明しています。

 

振り返ってみれば、テスラの上海工場の建設が決まったのは米中貿易摩擦が始まった2018年でした。米中対立の長期化が鮮明になりつつある中、テスラは果敢に中国を選び、その時点で中国の生産能力や人材、多くの優遇措置、巨大な消費市場を勝ち取りました。

 

当然、テスラの進出は中国にとってもメリットが大きく、「世界の工場」としてのメンツを保てただけでなく、EV関連のサプライチェーンが整備され、地場メーカー育成の加速につながっています。

 

金融分野の外資参入

中国では金融分野における外資参入の規制緩和が進んでおり、外資銀行の業務範囲拡大や証券会社の外資出資比率の上限撤廃などが始まっています。

 

2021年8月には外資系金融機関として初めて、米国金融大手のJPモルガン・チェースが100%出資した子会社が認可されました。同10月に米国のゴールドマン・サックスも中国の合弁会社を出資比率100%の子会社にしています。

 

中国国内初の外資系不良債権投資会社も誕生しています。それが米国資産運用大手のオークツリー・キャピタル・マネジメント社による独資の子会社で、2020年2月、北京に設立されました。同社の創業者でディストレスト債投資の先駆者として知られるハワード・マークス氏は中国経済の先行きに常に楽観的な見方を持ち、中国の不良債権に対する投資に積極的に取り組んでいると言います。

 

また、米国資産運用大手ブラックロックは、2021年5月に中国の国有商業銀行である中国建設銀行と「貝莱徳建信理財」を設立しています。ブラックロックの出資比率は50.1%で、その半数以上を握っています。

 

ケンタッキーやピザハット、コストコも出店拡大

生活・消費分野においても、ケンタッキーフライドチキンやピザハットなどの中国事業が好調で、今後一層のビジネス拡大が見込まれています。スターバックスやウォルマートの会員制スーパーであるSam’sClub、会員制倉庫型スーパーのコストコなど、米国小売企業による出店拡大の動きも多く見られます。

 

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