(※写真はイメージです/PIXTA)

マイホームを購入し、快適な空間で過ごす理想の生活を手に。ところが、まさかの落とし穴が…。周辺から異臭がし、夏場には大量の虫が発生。理想どころか悪夢のような毎日に、悔しさが募るばかりーー。せめて事前告知があってもいいだけに、到底納得できるはずはありません。そこで、実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、居住環境における売主・仲介業者の瑕疵について、辰野樹市弁護士に解説していただきました。

購入土地周辺から異臭。近隣居住の売主は「知らない」

相談者のKK0805さん(仮名)は、2020年1月に不動産会社の仲介により、個人の売り主から宅地を購入。その宅地に戸建住宅を建て、2020年6月下旬から居住しています。

 

居住前は気づきませんでしたが、周辺から強い異臭がするそうです。

 

発生源は、宅地の北側にある水路。そこへ西側2軒隣の古いアパートの古い浄化槽から汚物が垂れ流されているのが原因とのこと。夏場は特に異臭がひどく、おまけに大量の虫も発生するといいます。

 

上記に関して、相談者はとても不快に感じています。

 

とはいえ、すでに建物があり、契約解除することは現実的ではないため、相談者はせめて、売り主と不動産屋に売買代金や仲介手数料の返還を要求したいと考えています。

 

売り主については、すでに「賠償金等を払わない」との意思表示をしています。ちなみに、契約時に異臭に関しては記載がなく、告知書には異臭に関して「知らない」と記載があったそうです。

 

しかし、売り主の住まいは水路を挟んだ北側の隣地。異臭に関して「知らなかった」とは到底思えません。

 

また、2022年2月に不動産屋から異臭に関して売り主に話をしたところ、「今回この様な話が出て思い返してみれば、少し臭ったことがあったかもしれないが、何十年生活していて、自分は臭いに困ったことが無く、話さなくてはいけないこととして考えが浮かぶことも無かった。だから告知書でも『知らない』とした」と話したそうです。

 

当初は売り主が北側隣地ということもあり、できればトラブルを回避したく、相談者も申告していませんでした。しかし、その後も一向に状況が改善されないことから、なんらかの対応策を打ちたいと考えています。

 

ちなみに、水路はK市役所とS市役所に跨っており、異臭について市役所に相談を重ね、一度水路内の清掃を行っていただきました。しかし、根本的な解決にはなっていないのが実状です。

 

そこで相談者は、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の2点について相談しました。

 

1.この状況で売主・仲介業者にどこまで責任追求できるのか。

 

2.どうしても賠償金の支払いを拒絶する場合には、訴訟しか手段はないのか。

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