(※写真はイメージです/PIXTA)

盗撮された!その時、突如人が現れ、犯人を捕まえて示談まで成立させてくれた…。盗撮の被害者にとっては、まさに恩人。ところが、それが示談金目当ての集団による仕業だったケースがあります。今回は実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた投稿をもとに、盗撮被害における注意点などを加藤孔明弁護士に解説していただきました。

盗撮被害の恩人が、実は犯罪一味だったら共犯になる?

相談者の匿名希望(女性・仮名)は先日、駅の階段を上っている時にスカートの中を盗撮されました。盗撮をされている時には相談者自身は全く気がつかなかったのですが、すぐそばに居た男性(以下 Aさん)が教えてくれたそうです。

 

盗撮した男性は、相談者らに気づき逃走。Aさんが追いかけて捕まえてくれました。その後、Aさんが盗撮男性と相談者に「話をしよう」と言い、人通りの少ない場所へ移動しました。

 

内容は、犯人が事実を認めているため「このまま警察へいく」か「この場で示談をするか」という提案でした。男性は「お金で示談をするので許して欲しい」と謝罪。

 

相談者は、盗撮されたショックはあったものの、個人的に深い恨みがあった訳ではないため、その場で示談することにし、後日示談金を口座振込で受け取りました。

 

一件落着といきたいところですが、相談者には気になっていることがありました。この提案をしたのはAさん。

 

その際、犯人の男性からの提示額に対し「少なすぎる。盗撮の示談がそんな金額なわけがない」と再考を促し、さらに男性に「このくらい払うか、警察に行くか」と半ば迫るように値上げした額を提示し、その結果、男性から合意を得たのです。

 

相談者はこうした経験は初めてで動揺していたこともあり、Aさんの言う通りだと思って受け入れたといいます。

 

冷静になり、相談者はさらに不安になったといいます。

 

・Aさんが犯人の男性が犯行を認める言動を録画していた

 

・相談者に男性の証明書の写真を撮るようすすめられ撮影した

 

Aさんはまるでこれらを証拠として握り、示談金をつり上げたように思え、相談者は「これは恐喝では?」と心配になったのです。

 

不安いっぱいの相談者がいろいろ調べてみると「盗撮ハンター」という言葉があることも知りました。盗撮する人を見つけ、示談金をせしめる人々のことです。状況は非常に似通っていました。

 

その後Aさんから相談者に「捕まえた際にスーツが破けたからいくらか貰えないか」と連絡が来たといいます。相談者はお礼をすることで、万一、Aさんが盗撮ハンターだった場合、「共犯になってしまうのでは」と心配しています。

 

そこで相談者は、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の2点について相談しました。

 

(1)この流れで示談金をもらったことに何か法的問題はあるか。

 

(2)Aさんが盗撮ハンターだった場合、どんな対応をすべきか。服の修理代を払うことで共犯になるのか。

次ページ「盗撮ハンター」のグルとされてしまうのか?

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