「糖尿病ならイワシの缶詰がいいよ」
■作るのが面倒ならコンビニ弁当を利用
一日10品目をとるというのは、ハードルが高いと感じる人もいるでしょう。老年医学の専門家である柴田博さんがおっしゃるには、食べ物の品目が多ければ多いほど健康にいいが、家庭で作るとなるとどうしても品目が減ってしまう。その解決策として「コンビニ弁当」もいいというのです。
私は「なるほどな」と納得しました。
コンビニ弁当は食品添加物が気になるという意見もあります。しかし、かりに食品添加物の影響があったとしても、それはずっと先のことです。添加物におびえるより、多くの品目の入ったコンビニ弁当を食べるほうがずっと合理的ではないでしょうか。
ラーメンにも同様のことがいえます。ラーメンのスープは塩分や脂肪が多く、スープを飲み干すなどもってのほかと不健康のレッテルを貼られています。
そのラーメンも、今のご時世、化学調味料を使わないいわゆる「無化調」が多くなりました。無化調のラーメンは、コクを出すために20~30種類ぐらいの食材を入れてスープを作っています。
ラーメンを我慢する人は多いけれど、私は仕事のスケジュールが許せば週に5回はランチでラーメンを食べています。スープで多品目とれるほうが体にいいと思っているのでスープは全部飲むことが多いです。
食事は人生の大きな喜びです。現役時代は「体に悪いから」といろいろ我慢してきたでしょうが、年をとったら好きなものを、食べたいものを食べていいのです。
「おいしいなあ」と満足すれば人は自然と笑顔になります。食は体を作るとともに、喜びと元気をもたらしてくれます。
■元気になるならイワシ缶だっていい
以前、タクシーに乗ったときの話です。60歳くらいのドライバーに「糖尿病でこれから病院に行くんですよ」と話したら、「お客さん、糖尿病ならイワシの缶詰がいいよ」と言います。
彼の話では、自分も糖尿病だったけれど、毎日イワシ缶を食べたら血糖値が正常になってすっかり元気になっちゃった。それでタクシー仲間にイワシ缶をすすめたら、みんなに感謝されたとうれしそうに話してくれました。
ドライバーの男性は、検査数値が正常になって安堵した以上に、自分がとても元気で幸せだという感覚を持っていました。この「元気になった!」「幸せだ!」という感覚を「足し算」健康術でもってもらえたらいいと思います。
元気になるならイワシ缶だっていいし、栄養ドリンクだってありです。元気を実感できるものは、どんどん足しましょう。
和田 秀樹
ルネクリニック東京院 院長
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