「資金繰りが苦しい」20代・IT企業社長の弱音…ベンチャーがぶつかる“資金調達の壁”【弁護士が解決】

「資金繰りが苦しい」20代・IT企業社長の弱音…ベンチャーがぶつかる“資金調達の壁”【弁護士が解決】
(写真はイメージです/PIXTA)

ベンチャー企業に立ちはだかる「資金調達」の壁。銀行融資や補助金の活用、ベンチャーキャピタルからの出資など方法はさまざまですが、それぞれに注意すべきリスクが存在します。そこで、ベンチャー企業の具体的な資金調達方法とそれぞれのメリット・デメリットについて、企業法務に詳しいAuthense法律事務所の西尾公伸弁護士が、20代のIT企業社長Aさんの事例を交えて解説します。

融資、助成金…ベンチャー企業の資金調達方法「6つ」

ベンチャー企業が資金を調達するには、以下のような方法が考えられます。

 

1.「信用保証」付きで金融機関からの融資を受ける

金融機関から融資を受けた場合、利息が発生し、約束した返済時期に利息とともに資金を返済する必要があります。また、返済してくれるかどうかわからない相手にはじめから多額の融資をすることは、金融機関にとってリスクが高いといえます。

 

さらに、金融機関は融資にあたり、対象企業の「与信審査」を行いますので、財務体質がまだ万全とはいえないベンチャー企業では、この与信審査が通らないこともあります。

 

そのため、ベンチャー企業が創業時に金融機関から融資を受けるためには、「信用保証」をつけることが一般的です。

 

信用保証とは、創業したばかりなどの理由でまだ信用力の弱い企業の保証を信用保証協会が引き受けてくれる制度です。万が一返済が滞った場合には信用保証協会が返済を肩代わりしてくれるため、金融機関からの融資が受けやすくなります。

 

2.「日本政策金融公庫」から融資を受ける

「日本政策金融公庫」とは、民間金融機関を補完するために存在する政府系の金融機関です。創業融資などさまざまなコンセプトでの融資制度を設けており、創業間もない企業が融資を受けやすい仕組みとなっています。

 

「無担保・無保証」で融資が受けられる枠があるため、創業時にまず検討したい資金調達方法の1つです。

 

3.助成金や補助金を活用する

国や地方自治体からの助成金や補助金は、原則として返済不要です。ただし、支給を受けるには要件があります。一般的に、助成金は人材の活用や育成のために支給されることが多い一方、補助金の目的はその補助金の種類によってさまざまです。

 

補助金や助成金には非常に多くの種類が存在します。また、常に募集があるものではなく、年によって募集内容が異なることも少なくありません。そのため、活用を検討する際は、要件に当てはまりそうな助成金や補助金を見逃さないことが重要です。

 

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※守秘義務の観点から、取り上げた事例は実際の相談内容と変更している部分があります。

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