日本株が外国人投資家に買われている背景
エミン:このところの日本株の上昇は、外国人投資家の旺盛な買いによって支えられている側面が大きいです。彼らが日本株を評価するようになった背景には、複数の要因が挙げられます。
まず、日本企業の収益性を示すROEが改善し、企業統治(ガバナンス)も強化されたことで、投資対象としての魅力が増したことです。さらに、従来の日本企業は内部留保を重視する傾向にありましたが、近年では株主還元を重視する姿勢へと変化したことも評価されています。
そして、世界的に見て流動性の高い先進国の株式市場の中で、ここまで割安な株価水準にあるのは日本市場だけという状況も、彼らの投資意欲を掻き立てているのです。
木原:ただ、ここ数年で割安さがかなり是正されてきましたね。1~2年前だったPBR0.2倍なんていう銘柄もゴロゴロあったのに、そこまで異常な割安株はさすがにほとんどなくなってしまいました。割安銘柄でこれだけ選択肢があるのも、今だけなのかもしれませんね。
エミン:そしてもうひとつ、日本株が外国人投資家に買われている背景に、地政学的な理由があります。アメリカと中国が新冷戦の状態にある中で、中国からの撤退を余儀なくされたグローバル資本は新たな行き場を求めています。その新たな行き場として、日本が選ばれ始めているのです。
台湾の世界的な半導体ファウンドリーであるTSMCが熊本に最先端工場を建設したのも、有事に対する備えです。もし有事が起こって台湾の拠点や工場が中国に抑え込まれでもしたら、たちまち事業展開ができなくなってしまいますからね。
また、オラクルは、10年間で80億ドル(約1.2兆円)以上の投資を日本で行い、データセンターの設備とスタッフを増強するとしています。マイクロソフトやアマゾンも同様に日本での大規模なデータセンター投資を発表しています。
木原:そうでしたね。
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