(※写真はイメージです/PIXTA)

2012年のワールドシリーズ・オブ・ポーカー(WSOP)で日本人初優勝を果たし、投資家としても大活躍している木原氏と、新進気鋭のエコノミストであり、日本ポーカーの祭典JOPTで2度の優勝経験を持つエミン・ユルマズ氏。本記事では、エミン・ユルマズ氏/木原 直哉氏による書籍『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』(KADOKAWA)を一部抜粋・再編集して、今後の日本経済や日本株の動向についてご紹介します。※記載内容は書籍発行当時のものです。

日本株が外国人投資家に買われている背景

エミン:このところの日本株の上昇は、外国人投資家の旺盛な買いによって支えられている側面が大きいです。彼らが日本株を評価するようになった背景には、複数の要因が挙げられます。

 

まず、日本企業の収益性を示すROEが改善し、企業統治(ガバナンス)も強化されたことで、投資対象としての魅力が増したことです。さらに、従来の日本企業は内部留保を重視する傾向にありましたが、近年では株主還元を重視する姿勢へと変化したことも評価されています。

 

そして、世界的に見て流動性の高い先進国の株式市場の中で、ここまで割安な株価水準にあるのは日本市場だけという状況も、彼らの投資意欲を掻き立てているのです。

 

木原:ただ、ここ数年で割安さがかなり是正されてきましたね。1~2年前だったPBR0.2倍なんていう銘柄もゴロゴロあったのに、そこまで異常な割安株はさすがにほとんどなくなってしまいました。割安銘柄でこれだけ選択肢があるのも、今だけなのかもしれませんね。

 

エミン:そしてもうひとつ、日本株が外国人投資家に買われている背景に、地政学的な理由があります。アメリカと中国が新冷戦の状態にある中で、中国からの撤退を余儀なくされたグローバル資本は新たな行き場を求めています。その新たな行き場として、日本が選ばれ始めているのです。

 

台湾の世界的な半導体ファウンドリーであるTSMCが熊本に最先端工場を建設したのも、有事に対する備えです。もし有事が起こって台湾の拠点や工場が中国に抑え込まれでもしたら、たちまち事業展開ができなくなってしまいますからね。

 

また、オラクルは、10年間で80億ドル(約1.2兆円)以上の投資を日本で行い、データセンターの設備とスタッフを増強するとしています。マイクロソフトやアマゾンも同様に日本での大規模なデータセンター投資を発表しています。

 

木原:そうでしたね。

 

注目のセミナー情報

【国内不動産】4月26日(土)開催
【反響多数!第2回】確定申告後こそ見直し時!
リアルなシミュレーションが明かす、わずか5年で1,200万円のキャッシュを残す
「短期」減価償却不動産の節税戦略

 

​​【資産運用】5月10日(土)開催
金価格が上昇を続ける今がチャンス!
「地金型コイン」で始める至極のゴールド投資

次ページ相場で儲けられるタイミングは「ミスマッチ」が起きたとき

※本連載はエミン・ユルマズ氏/木原 直哉氏による書籍『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』(KADOKAWA)を一部抜粋・再編集したものです。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。

「確率思考」で市場を制する最強の投資術

「確率思考」で市場を制する最強の投資術

エミン・ユルマズ/木原 直哉

KADOKAWA

東大卒ポーカープレイヤー×新進気鋭のエコノミストの白熱”株”談義 2012年のワールドシリーズ・オブ・ポーカー(WSOP)で、日本人として初めて優勝した木原氏は、投資家としても活躍しており、経済メディアに多く出演して…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧