(写真はイメージです/PIXTA)

SNSの普及や社会の発展にともない年々コンプライアンスに対する社会の目は厳しくなり、トラブル対応をも担う「法務部」の責任や企業における重要性も高まっています。今回は、Authense法律事務所の西尾公伸弁護士が、そんな法務部の業務内容と、働く人材に必要なスキル、また法務部をアウトソーシングするメリットについて解説します。

法務部には「高いスキル」が求められる

法務部は、企業の根幹ともいえる業務を担うため、非常に高いスキルが求められます。法務部で働く際に求められる主なスキルは、次のとおりです。

 

1.法律に関する専門知識

法務部は、企業の法的手続きや法律トラブルへの対応を一手に担います。そのため、法律に関する知識は不可欠です。

 

企業の業務内容によって法務部がよく使う法令は異なりますが、次の法令はどの企業であっても必要となるでしょう。

 

民法:契約の基本ルールなどについて定めた法律です
会社法:会社組織の基本ルールについて定めた法律です
商法:商取引の基本ルールなどについて定めた法律です
労働法:雇用の基本ルールについて定めた法律の総称です
消費者契約法:消費者契約について定めて法律です
個人情報保護法:個人情報の保護について定めた法律です
独占禁止法:企業の公正かつ自由な競争の促進について定めた法律です

 

これらについては企業活動の基本となりますので、あらかじめよく勉強して理解しておくことが求められます。

 

その他、企業の業務内容やそのときの状況などによって、特定商取引法や割賦販売法、各種業法など、さまざまな法令を参照しなければなりません。そのため、少なくともどのような場面でどの法令を参照すべきであるのかは知っておく必要があるでしょう。

 

2.知識を「アップデート」し続ける意欲

法令は随時改正がされるうえ、新たな判例や裁判例も日々誕生しています。古い知識のままで業務にあたっていては、大きなミスにつながる危険性があるでしょう。

 

そのため、法務部員は一度学んで満足するのではなく、常に知識をアップデートしなければなりません。また、企業としても積極的に研修に参加させたり書籍の購入に必要な予算をつけたりするなど、ある程度の投資が必要となります。

 

3.調査する力

法令は、非常に多く存在します。また、重要なものに絞ったとしても、判例や裁判例の数も膨大です。これらのすべてを記憶しておくことは、現実的ではないでしょう。そのため、法務部員には、必要に応じて必要な情報を調査するスキルが求められます。

 

4.コミュニケーションスキル

法務部員には、コミュニケーションスキルも必要となります。なぜなら、法務部は社内の法律相談窓口となる他、経営陣などから企業の新たな取り組みになどについて法的な観点からのアドバイスを求められる場合もあるためです。適格なアドバイスをするためには、相手から必要な情報を聞き取るためのコミュニケーションスキルがなければなりません。

 

また、契約書チェックの結果自社にとっての不都合な項目があれば、これについて相手先企業と交渉する必要も生じます。この点でも、コミュニケーションスキルが必要であるといえるでしょう。

 

5.文書作成スキル

法務部は、社内外に対してさまざまな文書を作成しなければなりません。作成する文書は、株主総会通知などある程度形式が決まっているものの他、契約書や社内規程、連絡や周知のための文書など多岐にわたります。そのため、法務部員にとって文書作成のスキルも必須であるといえるでしょう。

 

《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら

次ページ法務部を「外部委託」するメリット

本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録